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喫茶店の人 #7 【純喫茶ブラジリア】 吉岡敏子さん

吉岡敏子さん(88歳)
昭和10年、徳島県貞光町生まれ。
吉岡さんが始めた純喫茶ブラジリアは2023年6月、創業半世紀を迎えた。


JR徳島駅からほど近い純喫茶ブラジリア
阿波藍を連想させる青い絨毯が敷き詰められている

山之内遼さん、九州で亡くなったって聞いたで。独身のまま逝ったんやなぁ。店には何回も来てくれたわ。本が売れたからカラーでまた出したんやってね。わりとええ値段やのに、買うてくれる人がいるなんてありがたいな。
山之内さんは生きとった証を残したんやな。

本に載せてもらったお礼に年賀状を出しとってん。そしたら彼のお母さんから電話がかかってきて亡くなったことを教えてくれてん。
びっくりしたもん、それ聞いた時は。


2014年、初訪問時に見せてもらった山之内さんからの手紙
純喫茶ブラジリアのママ、吉岡敏子さん

もう身体はボロボロやで。
天国行くのん近いけん。
昔やったら生きとれへん年やで。

一昨年に転けて怪我して2か月弱入院してたんよ。
退院後もしばらく店を閉めていたら、常連さんから「開けて開けて」って
電話がかかってきてん。
コロナで飲食店はどこもお客さんがいなかったから、辞めどきかなと思ったけど、この店は上に自宅があって家賃がかかるわけじゃないから、開けといてあげてるんよ。

朝はゆっくり、夕方もはよおしまいよ。やけど、人のためになんかなったらええと思って開けとるんよ。

色々な人生あるな。幸せにいかなあかん。

長いこと生きさせてもらって、みんなにお会いできて幸せよ。遠方から、わざわざ来てくれてありがとう。

9年ぶりの再会だった



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