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インターン 津山 2020.06.28

初めまして、こんにちは。
小鳥書房さんで1日インターンをさせて頂いた、津山です。
 
私は今大学3年生なのですが、ここ数ヶ月友人達がどんどん就活を始めてゆく中、自分はどんな道を歩むべきか決めかねて、迷って、落ち込んで焦る、という日々を送っております。
 
元々文章を書くことが好きで今は舞台脚本を専門に書いているので、その道を進もうかと考えた時期もありました。
けれどそれ一本で食べてゆくには、あんまりにも厳しい世界であることは分かっていました。
だからもしお仕事をするのなら、文章に関わる仕事がやりたい。その為にはどうしたら良いんだろう。
出版社に勤める?だけど私のやりたいことが出来るかどうかは分からない。
そもそも好きなことを仕事にしたいなんて甘えなのかしら。
私にとっては何が大事なの、お金?安定?自分は社会の中に居る、という安心感?それとも…。
 
そんな中友人が小鳥書房さんから出版された本を勧めてくれたことを切っ掛けとして、
小鳥書房さんのこと、理念、インターン生を募集していることを知り、1人で悩むくらいならと応募させて頂きました。
当日はとても緊張していました。
ですがお店に到着してまず最初に落合さんが散歩をしながら商店街や地域のことについて教えてくださった時、
挨拶の多さや人のあたたかさに驚いて、私の緊張はどこかへ行ってしまいました。
 
最近はコロナ禍で外出する機会が殆どなく、電車に乗っても隣の人と距離を保とうと意識してしまったり、マスクを外すと怒られたりと人との関わり方について考えなければならないご時世です。
でもこの街でマスクの下に笑顔を多く見たのは、
きっとコロナウイルス流行前と変わらない気遣いや心の距離感が保たれているからではないか、
そしてこの街はそれがぎゅっと花束のように集まって出来ているのだ、そんな気がしました。
ここでは何かを好きでいること、自分に向き合うこと、それらについて誰の赦しも要らないのです。
 
お店に戻って、最初は掃き掃除をしながらたくさんお話をしました。
私のこと、お店のこと、落合さんのこと、たくさん。
私がこの先どうなりたいのか、私自身ですら分からなくて投げ槍になってしまっている課題を真っ直ぐ捉えて幾つもの道標を立ててくださって、
途端に、21年間思いもよらなかった未来の私の姿があちらこちらに見え始めたのが不思議でした。
気恥ずかしくてその場では言えませんでしたが、まるで魔法に掛けられたみたいだったんです。
 
その後は持ち込まれた古本の査定と編集のお手伝いをさせて頂きました。
編集のお仕事には兼ねてより興味があったので体験させて頂いてとても嬉しかった反面、失敗ばかりで難しさを思い知りました。
2時間程かけて初めて書いたラフ画は酷いものでしたが、
落合さんが「じゃあこれで検討するね」と言ってくださった時に鳥肌が立ちました。
私が書いたものを元に雑誌が出来上がるかもしれないというその喜びと興奮は、
これから仕事について考える上で絶対忘れられないだろうと思います。
 
 
1日インターンで様々な経験をさせて頂いた中、1番印象に残っているのはお店にいらしたお客様や街の方々のことです。
文字通り子供から大人まで幅広い年代の方がいらして、私もお話に混ぜて頂いたのですが、どなたも本当に魅力的でした。
そして不思議なことに来る時間帯はばらばらな皆さんが口を揃えて、
「やりたいことを、無理をせずに」
と仰っていて、ああ、それでこんなに魅力的なんだ、輝いて見えるんだ、と納得しました。
 
本を読むこと、自分に時間を割くこと、決めた仕事に向き合うこと、隅々まで心を尽くすこと、何かを好きでいること、そして精神的に豊かであること。
1日で教わった全てが私にとって救いで、また、これからどんな道を行くにせよ大切にしたいことになりました。
空っぽな大人にはならないでね、と言ってくださったことを忘れずに沢山の経験を積んで、
そしていつか小鳥書房さんに何か返すことが出来ればと思います。
 
最後に、1日お世話になった落合さん、
何も知らない私に丁寧に仕事を教えてくださり、話を聞いてくださり、本当にありがとうございました。

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