見出し画像

インターン 畠真帆 2020.07.12

小さい頃、おかっぱ頭の私は
一輪車に乗れなくて
ものすごく悩んでいました。

団地の他の女の子はスイスイと乗りこなしているのに
私だけいつも壁に寄りかかって
「せーの」と小さな声で自分に声かけしていました。

今思えば、
どうしてあんなことで悩んでいたのかとちょっと呆れます。

一輪車じゃなくて自転車に乗れていればそれでよかったのに。

一輪車は自分には向いてないんだって割り切ればよかったのに。

そもそも、一輪車に乗れなくったって
人生不利になることは少しもなかったのに。

皆様こんばんは。北海道からインターン生として1週間小鳥書房でお世話になっている真帆です。
毎日目を通してくださる方もいらっしゃるようで、
とても嬉しいです。
「昨日の、よかったよ!」と言ってもらえるだけで
頭がカーッと熱くなるほど喜んでいます。

幼い頃から、私はよく悩む子でした。

一輪車に乗れない。
跳び箱が飛べない。
みんなのテレビの話題がわからない。
部活でうまく仲間と話せない。
高校で何がしたいのかわからない。

後になって振り返ってみると
「あんなこと何でもなかったのになあ」
と呟けることばかりです。

何をあんなに必死で悩んでたんだろう、と。

でもふと気づくと
22歳になった私も、
また日々悩んでいるのです。

息をするように常に
これでいいのか。これがいいのか。
そもそも何がよかったのか。

そう自問自答しています。

そして悩んでいる自分に気づくたびに
おかっぱ頭のランドセル姿の私が
横に佇んでいるのが見えるのです。

一輪車の柄をぎゅっと握りしめて
今にも泣き出しそうに顔を真っ赤にした私が
まっすぐ22歳の私を見上げているのが見えるのです。

「乗れないの。悔しいの。どうしても乗れるようになりたいの」

そんな顔をした少女を見て
いつも気付かされるのです。

そうか...
くだらなくなかったんだ。
この子にとって一輪車に乗るということは。
友達と並んでペダルを漕ぐということは。

泣きそうになりながら
恥ずかしいと思いながら
それでも悩みたいことだったんだ。

悩んで悩んで悩み抜きたいことだったんだ。

私は今も、今日この瞬間も
悩んでいます。

誰と出逢い、何と共に生きていきたいのか。
どんな川を泳いでいきたいのか。

矢印のない空で迷った鳥が
止まり木にとまって行先を確かめるように、
この小鳥書房で。

年老いた私は
そんな私を笑うでしょうか。

いいえ。

きっと一輪車を支えて微笑んでくれる。

「悩んで悩んで、悩み抜くんだよ」

そう言ってくれる気がします。

ついに明日でインターンも最終日です。
連日長い文章を読んでくださってありがとうございます!

明日も、皆様が素敵な一日過ごせますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?