半月板損傷10〜退院〜

退院当日の朝まであの屈伸機械を取り付けられた。
そんなに?そんなに大事だった?と今でもそこは疑問。

退院時にはだいぶ足を地面につけれるようになっており松葉杖は補助。
でも無しで歩くにはまだ覚束ないくらいで退院できた。

高額医療制度で返ってくるけれど収まりきらない添付部分やTVカードや雑貨諸々含めてだけどやはり15万弱は覚悟すべき。入院高い。病気や怪我はするもんじゃない。

久々の家は旦那と成人した息子で暮らしているのでほとんど仕事で家にいないからか散らかってはいない。が、埃まみれではあった。

うちはこどもが幼い頃から保育園に預けての共働きだったので洗濯や簡単なご飯を自分で何とかするくらいの能力が家族にあってよかった。

今時は風潮も変化しているが母が何でもしているおうちは今一度考え直した方が良いと思う。自分らが困る。
家族に生活能力をつけるのは人生の保険だと思う。

退院してからの家族は思ったより張り切っていて私がキッチンに立てるまで一月くらい毎日仕事から帰っては夕飯を作ってくれた。

もちろんCookどぅ系のものや市販のお惣菜、刺身などがメインだがちゃんと野菜を茹でたり炒めたりして一汁三菜だしてくれた。
この一汁三菜は私がずっとやってきた食事のパターンなので別にメインと味噌汁でも十分なんだが何も言わなくても当たり前のようにこのパターンで食事が出て来て彼らの中の「食事」はこういうものだと染み付いているんだなぁと嬉しくなった。
仕事で疲れてるだろうに父息子でワイワイしながら出される貴重な夕飯を堪能した。

ちなみに朝昼は市販のパンで済ました。元々ダイエットしなくてはなので絶対食べなきゃいけなくないし運動不足で腹が減るわけでもない。ただ口寂しい。しかしお菓子を買ってきてとは頼めない。辛かった(笑)

そうそう!大事な話!
脚を怪我した方は是非簡易なものでよいのでキャスター付きのテーブルないし硬い椅子などを買う事をおすすめする!簡単に手作りでもよい。

松葉杖だと手に何も持てない。飲み物を部屋に運ぶ、食事を運ぶ、病院ではそれらをみんな看護助手さんがやってくれた。お茶をベッドまで水筒に注ぎにきてくれた。食事も三食運んでくれた。

風呂は簡易リュックを背負って移動。コップ歯ブラシも肩掛けカバンに入れて洗面所まで移動。

しかし自宅で昼間家族が出払って一人になった場合コーヒーが目の前にあっても部屋まで運べない。キッチンから目の前のテーブルに運べない。

キッチンで立ったまま食事しかできない。

我が家はたまたまなんだけど介護用テーブルがあり助かった。

お行儀の悪い話だが入院生活の長かった私は自室ベッドをソファがわりに机で飲み食いする癖がありよくある介護用ベッドに備え付けキャスターテーブルを買っていた。

やーもう松葉杖なしでこのキャスターテーブルで食事やらコーヒーのせてガラガラ自室を移動できて最高だった!わたしてんさい!ってなったもんね。
長い入院生活で染みついたこの癖をずっと旦那に怒られ、息子たちにもごめんごめんって言いながら(何故か息子らは真似しなかったんだよな。父に叱られてた訳でもなさげなんだが)肩身狭く暮らしていたんだが、この時ばかりは心底よかった!って思った。

あ、もう一つ。

我が家は元々借家一軒家だったのを怪我する直前に分譲マンションに引っ越した。
これも大正解でバリアフリーだからこそできるこのキャスター技。 

前の一軒家は私の部屋は2階で廊下も狭かった。トイレは一階だし
一階は旦那のへやだったが暫くは入れ替えてもらわないと生活出来なかったはず。松葉杖で毎回階下のトイレとお風呂辛い。

キャスターゴロゴロも無理だったかも。

みなさんのご自宅はどんな作りだろうか?
内科的病気と違って整形関係は退院してからのが大変。
退院が視野に入ったらイメージを膨らませて自宅環境を整えることをお勧めする。
一月の我慢と言えば我慢だけど一月本人にとってはとても辛い。

ましてや既に二月くらい病院で我慢してきたのだ。
ご家族は大変だろうが是非寄り添ってあげてほしい。

整形外科の良いところは退院までのスケジュールがそんなに病状に違わなく進むのも良いところ。
組み立て易いとおもう。

我慢を強いるとせっかくの自宅が快適でなくなる。

本人が一番迷惑かけてるのはわかってるから退院してから随分我慢してる。
それこそ「〜のケーキ食べたいな、買ってきて」「〜のアルバム聴きたいけど棚の上だから取れない、取って」レベルの小さい我慢をずっと一月している。なまじ誘惑の多い自宅。主婦なら汚れた家にいる事すらイライラしながら暮らしてるかもだし
久々家族に会えてずっと篭りきりだから仕事から帰った家族とおもうさま喋りたかったりもするかも。

それらをぐっと飲み込んで申し訳なく暮らしているんだと言う事を少し心に留めてほしい。

しかし家族も慣れない介護生活で自分の仕事も目一杯なのにそれ以上の負荷がかかり疲れているんだよね。

我が家で一回こんな出来事があった。


私の友達が見舞いに来てくれると言う。

仲良しだが彼女の仕事が忙しく中々普段会えない。そんな彼女が都合をつけて来てくれると言う。

私は思わず仕事から帰ったばかりの次男に
「ちょっと悪いけどクイックルワイパーかけてくれないかな。玄関からリビングまででよいから」

と話したらブチ切れられた。

「なんで!?俺だって疲れてんだけど!もう10時なんだけど!!」

その日は旦那が夕飯を作ってくれたから掃除は次男にと単純にお願いしたんだが本当に疲れて無理して頑張ってきてたんだなと大反省した出来事だった。

先程介護される人間の言い分を連ねたが普段の生活(仕事と自分の身の回り)すら目一杯なのにそこに介護がはいる世界はとてつもなく負荷なんだよね。

私としては家事も育児も仕事も(パートだからまたちょっと責任が違う)やってきたから同じように考えてしまったがまず仕事の重さが違うし働き始めて二年くらいだったし徐々に慣れていく日々の家事育児と違って突然降って湧いてくる大変さは彼にとってかなり辛かったんだろうなと。

赤子産みたてのてんやわんや時期と同じみたいなイメージかな。


……このようにどちらも割と限界状態の生活なのでこの一月はそれぞれ家族の話し合いやキャパが試されたりもする。

退院したらハッピーハッピーでもないし

家族に申し訳なくて、ちょっと無理して転倒したり負荷をかけすぎたりする時期でもある。

要注意。

ちなみに友達と話がはずみそこの娘(次男と同級生)まで来て次男が仕事から帰ってきても暫くいたのもキレられた。
「早くご飯作って寝たいのに!作らなきゃいかんと思って帰って来たのに!何でいるってもっと早くLINEしてくれんの!」と。

相当煮詰まってたんだなぁ。

でもこちらも煮詰まってたんだよ〜

今ではお互い「あの時はごめんね」と言い合えているが

今文章にするとまさしく子育て時期のパパママみたいだな(私が昭和のパパ)

ずっと旦那に対して「モー」と思っていたが思わぬところで逆の気持ちを体験した。


色々貴重な体験をするなぁ手術と言うのは。


続く




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