映画「バブル」感想

 全方位的に悪評判しか流れてこないことに興味をかきたてられて、ネトフリでバブル見る。絵はキレイだし、1980年代のオリジナル・ビデオ・アニメって感じで、懐かしく視聴しました。なんかマクロス2のダメさーーラバーズ・アゲインの副題が肌に生じさせる蟻走感ーーを思い出しましたね。

 ここまでSNSで悪しざまに言われる理由を考えてみたんですけど、楽曲を含めて全篇に横溢する陽キャが陰キャを小馬鹿にしている感、「オタク君、こういうの好きでしょ?」感が透けて見えるからでしょうねー。オタク趣味が市民権を得てしまった現在、ここまでアニメーションを見下した感じ、もっと言えば差別心を出せるのは、逆にすごいと思いました。

 心底オタクをバカにしている陽キャのパリピ・ディレクターが、企画会議と称する半年におよぶキャバクラ通いの末、海外資本を脚本家のネームバリューでだまくらかすことに成功して、その漏れだす侮蔑を敏感にかぎとった陰キャのオタク・ライターが、キャバクラ接待で言われた通りのプロットで推敲ゼロのうんこ脚本を半ば当てつけで渡したら、ノー・リテイクで採用されてしまい、「え、マジで? この作品にオレの名前がクレジットされんの?」と頭を抱えているみたいな背景があるんじゃないですかねー、知らんけど。

 え、これ劇場でも公開されんの? 東京も水没してるし、天気の子の続編ってことにすれば、客が入るんじゃないですかね(適当)?

質問:何か気の利いた批評的な事を書こうとしましたがそもそも見てないんで辞めとこう、知らんけど
回答:いや、見てもらうとわかりますけど、「批評的な言葉」というのがいっさい湧いてこない作品なんですよ、バブル。オタク趣味が市民権を得ていなかった昭和のイジメっ子が、かつてイジメていたクラスメイトに笑顔ですり寄ってくるみたいな感じとでも言えばいいんでしょうかね、知らんけど。


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