ゲーム「FF11の思い出」その5

ゲーム「FF11の思い出」その1
ゲーム「FF11の思い出」その2
ゲーム「FF11の思い出」その3
ゲーム「FF11の思い出」その4

 よーうの、とぅばーさをー、きぃさくたぁーめぇーにー、ぎーんの、つうーぎをー、ふううのだー(シャンデュシニュのエフェクト)。あーさにー、なーれーばー、きえーうわーたーしー。ラ、ラ、ラ・テーヌ、ラ・テーヌのほしー。

 この18年で1万人くらいのプレイヤーが思いついて口にしなかっただろうネタを、令和の御代に臆面もなくエス・エヌ・エスへ投下するこの蛮勇! てか、オメーの滑舌、チャチャルンみてーだな(どき)! かつて廃人にあこがれた、いちプレイヤーであるッ!

 FF11って、いまだに一ヶ月に一回バージョンアップがあんの。でもメジャーな更新はもうしないよって2016年に宣言されててサイゼリヤの間違い探しぐらいしか変わらないんだけど、一ヶ月ですっかり底をついたアンバスのポインヨ報酬品が補充されるのよ。過激化したデモ隊の襲撃ですべての棚がカラになった食料品店に、食材を満載したトラックが横付けしてくるイメージで、暴徒たちはまだ店内に残ってエモノをベロでなめまわしてんの。元から悪いミスラと善から悪に染まったタルタル(出典:Wizardry)でかかれーっつって、トラックの運転席から降りかかってる首無し騎士と四足獣にモヤモヤした鉄パイプと貧相な棒でなぐりかかんだけど、なんか機関銃みたいな明らかに過剰防衛の反撃で6000くらいダメージくらってミンチにされて、デーン・デ・デーンとか死の音楽が流れんの。ダメージを受けると立ち上がっちまうんだナア、いつだってスタンド・アンド・ファイトとか言いながら、ちぎれかけた長いベロで何度も何度もデュラハン(ジャック兄さん)とウマ(渋川先生)にいどみかかんだけど、いっこ勝てないわけ。んで、先月までのオーク(末堂)は賭場の胴元が上客をコロす前にわざと大勝させて逃げられなくするためのワナだってわかったの。かーっ、すっかりだまされたわー、今月2キャラとも課金しちまったわー、アンバスでポインヨかせげないならもうやることぜんぜんねーわー、カネはもったいないけどいよいよ引退かー?なんて花の慶次の主馬様みたいなアザ(ウマに蹴られたので)をつけたミスラとタルタルのふたりで四畳半にねそべって親指で互いの鼻の穴おっぴろげてたら、ネ・ジツ方面の湿ったゲジゲジどもが、マリグナス装備は最強に強まっていてソロでも取れるしディ・モールト・ベネ(JOJO語)とかささやきあっているのが耳に入っちゃうわけ。しょーがねーなー、べつにあんたに言われたからじゃないんだからねっ!とかツンデレごっこしながら、北サンドリアにヘブン状態のビジュアルでワープして、当該のバトルフィールドに入るためのファントムクォーツを交換しようとしたら、どうしてかリストにないわけ。おっかしーなー、初期不良のオススメつかまされたかー?とか言いながらポプテピピックみたいに四角社を心の中で爆破していたら、なんかアルタナミッションをクリアしていないことに気づくわけ。なのにストーリーはなんとなく覚えてて、なんでかなー、ゲーム動画見る趣味はねーしなーっつって四畳半をぐるぐる半時計回りにまわって過去へと遡行してたら、それが75時代のヒゲナイトの記憶だって気づいたの。かーっ、転生前のヒュムの記憶を思い出したミスラってかー、ぼく地球(ぼくたま)みたいでオレかっけーなーとか言いながら2周目無双(主にレベルが理由)のアルタナミッションが始まるんだけど、過去の地形をデザイン(現存在)したヤツは最大限ひかえめに言ってもブッ殺してやりたいDEATH(英語)。現代の地形を熟知していればいるほど迷うようになっていて、まるで北斗神拳継承者は北斗七星の動きをなぞるのではないかってゆう、まったく根拠の感じられない仮説に基づいて石柱を立てたらめっちゃぶつかってくれてラッキーみたいな感じ(この例え何度目だ)で、あちこちおつかいしなけりゃならないもんだから、もう終始イッライラさせられんの。マウントありでもこのムカつきなんだから敵にからまれまくりながら徒歩で移動するしかなかった75時代に、ただプレイヤーの足止めだけに特化したこの仕様にゴーを出すジャッジ感覚はキチガイじみてて逆にすげーわ。これがアドゥリンまで行くと、ケイザックなんか風来のシレンを3Dにしたみたいで冒険感もクソもなくなって、怒りもわかない乾いた笑いしか出なくなってくるんだけど。でもハーフエルフーーおっと御時世的に政治的に正しく言いなおすでござるーーダブルエルフ(ノット・ピース)設定のリリゼットが表情から仕草から言動からめちゃくちゃかわいくて、いつのまにか我々の旅は推しウーマンーーおっと政治的に正しく言いなおすのでござった御時世的にーー推し月経のある人間ことリリゼットたんの追っかけとなって過去ヴァナを巡るストーカー・チック(症状)な全国ツアーと化したのであった。三国クエストとミッションと地形(地形)が複雑にからみあって(特に地形)て、ぜんッぜんストーリーは進まないんだけどネ☆(ウインクしながらピースサインを目の横に当てるポーズ)。

 話かわるけど、いまのオススメってニ・チャンそっくりになってて、二十年近くいすわってる牢名主みたいのがゴロゴロしてて、既得権益のカタマリみたいになってんの。半年ロムってろならぬ半年ソロってろが当たり前の世界で、ふつうゲームなんて1、2週間ほど遊んだり遊ばなかったりでクリアできるようなもんだけど、18年物のオススメはその発酵ぶりから質量が莫大になってて、アオりではなく言葉通り半年毎日ログインして遊ばないとわかってこないことも多いわけ。オススメって究極のところ装備集めゲーなんだけど、牢名主どもは自分の装備を賛美する新規は欲しいけど、自分を脅かす強さは手に入れさせたくないのね。きゃつらはまずアビセアのレベルキャップ解放でなんかピンクの寝巻きみたいのに過去装備群を半壊させられ、次にアドゥリンのアイ・エル装備で過去装備群を全壊させられてんの。そのファースト・インパクト(大質量隕石による恐竜の絶滅)とセカンド・インパクト(大質量隕石をよそおった使徒による人類の半壊)を生き残ったきゃつらは深海魚のような猜疑心のカタマリで、いつだってまた膨大な時間の投入によって築き上げた己の地位が失われないかビクビクしてんのよ。だから無償で新人を助けることをひどく嫌っているわけ。きゃつらの名言のひとつに「せっかく新人を助けても、半年もたたずにいなくなる」ってのがあんだけど、不死の者と定命の者がすれちがう感じがすごくよくあらわれてるファンタジックで味わい深い言葉よね。エルフにとっての100年は人間のスケールで言えば半年にも満たない時間である、みたいな。ゲームには定年による引退はないから、たぶんサ終(サービス終了の略称)まで既得権益に我利我利でしがみつき続ける感じで、それが新規参入を嫌う典型的な先細りの業界と同じ構造になってんのよ。業界の衰退が権益の消滅とイコールだとわかってても、近視眼的な月経の無い人間(男女とも)にはその気づきを行動に移すことは難しいのね。最近いちばんショックだったのはイーストちゃんがおれもあと30年ぐらいで死ぬから世界を変えることは正直どうでもよくなってきたみたいな発言をしてたことなんだけど、その感じはどれだけ否定したところで自分にも出てきてて、オススメをプレイしていてときどきたまらなくイヤになるのは、そういった寿命に由来する逃げきりの諦念みたいなのをかいま見る瞬間なのね。でもまだアカウントを停止せずにいるのは、そしてだれが読むでもないテキストをこうやって書き残しているのは、今回ここを離れたら次にヴァナ・ディールへ気持ちが向いたとき、もう戻る場所はないんだろうなっていう確信めいた予感があるからなの。翌年にはダムの底へ沈むことが決まっている村の盛夏を、最後にそぞろ歩く年老いた住人のうちのひとりが、たぶんわたしなんだと思う。

ゲーム「FF11の思い出」その6
ゲーム「FF11の思い出」その7
ゲーム「FF11の思い出」雑文集
雑文「私とカラドボルグ(FF11とはずがたり)」

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