見出し画像

場面緘黙症の私と修学旅行

私が教室に行っていない間に修学旅行の班を決めたらしい。
中学校生活で最後の行事だからみんなが張り切っていたらしい。
本当は中二でも自然教室があったのだが、世の中の状況下から今年は中止になった。
私たちは中学校に入学してからほとんど行事を体験していないからゆういつの楽しみで今からワクワクしているそうだ。

修学旅行の醍醐味といえば宿泊班諸々を決めることだと思う。
もちろん私は行っていないので、決まった班を聞いただけだが。
私の班は、私と8年一緒にいる大親友とクジで決まった子(私とすっごい仲のいい子)と聞いていた。
班のメンバーがとてもいい人たちばかりだったので、

こんないいことって本当にあるんだな。

と感じた。

でも、後々母から聞いた話だがくじで決まった訳ではなかったらしい。
事前にアンケートを取ってそこからくじ引きで決めたのは本当らしいが、
私の大親友(以下k)と仲の良い子たちはアンケートを白紙のまま出した。
kが仲のいい子達に

「千秋ちゃんを入れたい。だから先生に事情を話すためにみんなでわざと白紙のままで提出しよう」

こう言った。
周りの子達も最初は驚いた顔をしていたが、

「私たちも千秋ちゃんと一緒がいい!その案賛成!」

と言ってみんなして、白紙で提出という異例の事態が起こった。

もちろん先生はびっくりしたらしくすぐにその子たちを放課後に集めて話をしたらしい。
そこで班のメンバーの子達は、
「私たちは、千秋ちゃんと一緒がいいんです。千秋ちゃんが安心して4日間過ごせるようにサポートしてあげたいです。だからわざと白紙にしました」
こう言って先生を説得をして無事に先生からOKを貰ったと聞きました。

この話は私は全く知りませんでした。
だから聞いた途端、嬉しくて嬉しくて涙が出そうになりました。
教室に四ヶ月も行っていないのに。

私を支えてくれる人はこんなにもいるんだ。

そう感じました。

後日、友達からこんなことを言われました。
「千秋ちゃんは、みんなにとって必要な存在。教室にいないとちょっと寂しい。」

たとえ教室に行っていなくても、私を待ってくれている人は沢山いる。
だから少し期待に応えようと思う。
修学旅行の係別会議はこれから沢山ある。
ちょっとずつ自分のペースで参加していこうと思う。

第一回目の係別は参加したが緊張からか、全く動くことはできなかった。
でも大丈夫。

焦らずに、自分のできることを探して、前に進んでいけばいいと思った日の出来事。