海が我が家にやってきた

2021年10月3日、海(カイ、♂)が我が家にやってきました。この年の6月に今の地に移住してきて数ヶ月、ようやく日々の生活リズムが出来てきた頃に彼はやってきました。

移住するまでは猫を飼うなんて梅雨ほども考えていませんでした。ところが、温暖な地でのんびりと日々を過ごすうち、一緒に暮らす相棒がいても良いかな、などと考えるようになっていきました。何ヶ所か保護猫を扱っているとこに問い合わせ等をしましたが、私の年齢など、条件が合わなかったりしてなかなか見つかりませんでした。そんな折、従姉妹から近所で猫を保護して飼い主を探している人がいるとの連絡がありました。とりあえずキャリケースを持ってこいということだったので、急遽ケースを購入して向かいました。そして、現地に着くと庭に少し大きめの猫が寝そべっていました。手を出すとすり寄ってきて、人懐っこく、すぐに慣れてくれそうな優しい猫でした。子供の頃も含め、セキセイインコしか飼ったことがない私には、何を基準に選べば良いのかまるっきりわかりません。この子が相棒なのかなぁ、と考えていると、「もう一匹いるよ」と声をかけていただきました。そこにはケージに入れられた、体が白い小さめの猫がいました。先ほどの猫とは違い、少し警戒しているようです。ケージに指を近づけても近寄ってきません。鼻と耳が黒く、クリっとした目がこちらを見ています。「この子はね、警戒心が強いんだよね。先日もちょっと目を離した隙に逃げ出して、しばらく見つからなかった。庭の周りやら探していたら、縁の下でじっとしているのが見つかって、どうやらずーっとそこにいたみたいなんだ。」この時、何を感じたのか、実は忘れてしまいました。ただ、「あ、この猫が相棒になるんだな。」と思ったことだけは覚えています。「連れて帰ってもらってもいいよ。」と言われ、訳もわからずキャリーケースに入れて、車に乗せて我が家に向かいました。車を発進すると途端に「ニャーニャー」と鳴き始めました。どうして良いかわからない私は思いつくまま海に話しかけていました。言葉が通じるのかどうかとか、そんなことを考える余裕もなく、不安そうに鳴く海が安心出来るようにということだけを考えていたような気がします。我が家までの30分、いやぁ、とても長く感じました。そしてこの後、とても大変な日々が始まるのでした。(笑)

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