見出し画像

「あきつしまの夕べ」

「あきつしまの夕べ」行って参りました。

素敵でした!
庭園の池の畔に建つ数寄屋造りのお座敷です。
紅葉した木々が水面に映る様子を眺めながらの演奏。
のはずですが、
お邪魔したのは夜の部でしたので、真っ暗でした(笑)。
しかし、逆に漆黒の闇から時々聞こえる鴨の声や虫の音(たまに電車の音も)が、一段と風情を感じさせます。

まずは箏一面で、「島の朝」そして、箏と胡弓で「夕顔」
箏の柔らかい音色。胡弓の切ない音色。
お二人のお美しいお着物姿に、しっとりとした唄。
そうそう、この、和の空間に浸りたかったのです。
せわしなく動き回っている日常から離れ、ほっとする貴重なひとときです。

続く久本玄智さんの「夜の歌」は、趣がガラリと変わり、その前にお話くださったとおりの、大正ロマン溢れる曲。
そして圧巻の「上無」。

後半は、お三味線で上方唄。
お座敷の、粋にオシャレにお上品に、その場にいるみんなが心から楽しめる文化。
なかなかこういう場に出会えないので、そんな空間の存在すら知らない人も多いのかもしれません。
でも、全然堅苦しくなく、みんなで一緒に歌ったり、好きなように替え歌を披露し合ったり、唄や三味線で、こんなに盛り上がれる文化があるということを、多くの人に体感してもらいたいです。

お座敷芸は、その唄や三味線を演奏してくださる方がいてこそ。
その芸を引き継ぎ継承してくださる方には、感謝の念でいっぱいです。
趣味でも良いので、やりたい!と思われた方が、どんどん演奏者になってくださると良いなあとつくづく思います。

最後は「五段砧」
演奏会では、端折られることも多く、なかなか全段通して聴く機会がありません。
たっぷり箏の音を堪能させていたくことができました。

今日もまた、幸せな気分で家路につきました。

*箏の波では、演奏会情報をご案内しております。是非、生の演奏を聴いてみてください。
https://gainful-butter-9171.glideapp.io/

*************
会場 目白庭園 赤鳥庵
日時 2021年11月13日(土) 17:30
プログラム
島の朝 宮城道雄
夕顔 菊岡検校
夜の歌 久本玄智
上無 山本邦山
上方唄から
 木津川
 野崎小唄
 伊勢音頭
 かっぽれ
五段砧 光﨑検校
演奏
松浪千紫(箏・三絃・胡弓)
永池あかり(箏)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?