「LEO 箏RECITAL 2023 GRID ON//GRID OFF」
今をときめく箏奏者、テレビ朝日「題名のない音楽会」でもお馴染みの、LEOさん東京でのリサイタルです。
チケットは完売。さすがです。
生LEOさんは2回目です。
前回は2021年2月25日。Hakuju Hallでした。
https://hakujuhall.jp/syusai/251.html
当時はまだ、学生さんでいらしたのですね。
こう言っては何ですが、ある意味「普通の」演奏会でした。
それから2年半。
今回は
今、ここでしか聴けない、LEOさんでなければ聴けない、素晴らしい音楽空間でした。
箏を使った表現方法の幅広さを全身で体感できて、足を運んで本当に良かったです。
内容は「グルーヴ」をテーマにした全15曲。
箏らしい「間」を活かしたという第1部は
ソロで自作3曲と、吉松隆さんの「すばるの七ツ」
アコースティックな響きから生み出される力強さを活かした第2部では
25絃箏のソロと、木村麻耶さん(25絃箏)・山澤慧さん(チェロ)とのデュオ
箏とエレクトロニクスとの重なりによる第3部は
会場にちりばめられたスピーカーで全方向から降ってくる、エレクトロニクスと箏で埋め尽くされる異空間。
前半4曲は、舞台上に13・13・25・17絃を4面並べてノンストップで。
続くAndataでは4名の箏奏者にシンセサイザーも加わり、会場内に音が満ちあふれるクライマックスとなりました。
ありがちな時間軸で喩えるなら、古典・現代・近未来、といった流れとも言えますが、そんな単純なものではなく、それぞれの曲が螺旋のように連なり、徐々にボルテージが上がっていきます。
そして、ラストに「松風」
すべてが風の中に消えてゆく様は、今聴いていた時間がすべて、幽玄の中の出来事であったかのように感じられます。
まるでお能を見ていたかのようです。
1曲1曲をじっくり聴くコンサートというより、すべての曲が繋がって紡ぎ出される壮大な音絵巻でした。
LEOさんの表現・ターゲットは、この先きっと変わっていくことでしょう。
その意味でも、今回、今この瞬間に立ち会えたことを、とても有り難く感じました。
今日もまた、幸せな気分で家路につきました。
*箏の波では、演奏会情報をご案内しております。是非、生の演奏を聴いてみてください。
https://gainful-butter-9171.glideapp.io/
*************
会場 浜離宮朝日ホール
日時 2023年8月27日(日) 17:00
LEO:箏、17絃箏、25絃箏
木村麻耶:25絃箏、17絃箏(Nagoya Marimbas / African Strings / Andata)
山澤慧:チェロ(もっと上手にステップが踏めますように)
金子展寛:箏(Andata)
奥野楽:箏(Andata)
網守将平:シンセサイザー(Andata)
有馬純寿:エレクトロニクス
プログラム
第1部
今野玲央:空へ
吉松隆:すばるの七ツ-月/火/水/木/金/土/日
今野玲央:Two Face(初演)
今野玲央:DEEP BLUE
第2部
ティグラン・ハマシアン:The Boatman
スティーヴ・ライヒ:Nagoya Marimbas
ジャック・ボディ:African Strings, Kora : Chedo
坂東祐大:もっと上手にステップが踏めますように(初演)
第3部
カイ・シューマッハー:Tranceformer
マックス・リヒター:Path solo
坂本龍一(梅本佑利編):1919
網守将平:Perpetuum Mobile Phunk
坂本龍一(網守将平編):Andata
今野玲央:松風
アンコール
戦場のメリークリスマス