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「聡子の帰国」(小林かをるさん)を力いっぱい読んでみた(① まだ書いてる)

今年も始まりました、ブンゲイファイトクラブ2。なんと今年は全40作、いずれ劣らぬ名作揃い、つまりは

咀嚼するのに時間がかかるのでございます。

いや、流し読みしたらすぐ終わりますよ、6ページだから。でも、意味とか考えだしたら、1日2作が限度じゃないですか。少なくとも、文芸に関わっていない、その辺にいっぱいいる、ちょっと本が好きなだけのおかんには「ん?ん??んんん??」って一日頭でグルグル回さないと「よし(私なりに)これはこんな話だと思うわ」ってラベリングできない。

みなさん、命燃やして書いてらっしゃいますね・・・?!

今回、10作品くらいかなあ、読み進めていて、一番の難敵だったのがこちら。

小林かをるさんの「聡子の帰国」です。

あらすじとしては至ってシンプルで、

一行にするなら「渡米していた姉を迎えにいってやったら、自分を無視して一方的にしゃべくりたくられたあげく、自分の夫をパシリにされた」という事案。聡子が100パーセント有罪。

連れ合いを侮辱された(土産も渡さず「お願いね」とか、しかも万札まんま渡して「お願いね」とかなんだよ)「私」は、過去回想とかしてないで、目の前にある水(喫茶店だからあるだろう当然)をひっつかみ、「無礼者!」とか叫んで姉にザバーっしても許されるし、ぜひすべきだと思う。おそらくお嬢さまであろう「私」は、人生においてそういうふるまいをしたことはないから、多少失敗するかもしれない。大丈夫、姉は大変にあわないスカーフをまいているので、それで床にこぼれた水はふいておけばいい。きっと隣で泣いていた娘さんもびっくりして涙がとまるだろうから親御さんも助かるだろう。連れ合いの留飲も下がるだろうし、人助けにもなるから善行も積めてWIN-WINじゃない?

でもまあ、わかるんですよ。私、連れ合いと一緒に姉(いないからイマジナリー姉だけど)迎えに行って、「お礼しといて」(意訳)とか言って剥き身の万札ポイって連れ合いに渡されたら、動転して目が泳ぎますわ。早く終われこの時間。ここじゃないどこかへいますぐ行きたい。消えちゃいたいですよね。わかる。書かれていない直近の未来線では、落ち着くまで現実逃避してから、必死に連れ合いへのフォローを算段しますね。やっぱり五体投地から?それともめっちゃご飯奮発するとかして絡め手から謝罪??なんてかわいそうなんだ、「私」・・・。

と、あらすじだけ書き出してみると、「私」にわかるわかるbotになりそうなものなのですが、初読で私、ものすごく「私」のことが嫌いになったんですよね。思わずTwitter連投するくらい。なんでだ。なんでこんな気の毒な方を??

どうしてかわからなくて、色々な方にききにいったり、評を読ませていただいたりしたんですけど、見事にばらばらで。いったいみんな、「聡子の帰国」で何をみているの?それとも何をみていないの?