親愛なる失恋たち

一度目に失恋したとき、慰めてほしくて自室からわざわざ居間に降りて泣いていたらお母さんが、初恋は実らないものなのよと言った。

次の日は悲しくて食欲もなくなるかと思ったのに、やっぱりお腹は空いて、お弁当が美味しくて、悔しかった。

わたしの場合、失恋って振ることではなくて振られることだと思っているけど、どうだろうか。

と思っていたら振る失恋もあったんだったな。と思い出しました。100%好きなのに、好きより愛してるを選んで、好きを手放した。

玉砕する失恋もありますね。精一杯かっこつけて、空振りして、長いこと精神的にあなたの影踏みをしていました。その節はなにかとお騒がせを。

穏やかな川に笹舟を浮かべて送り出すように、ふたりで恋という感情を手放したこともあった。これは失恋とはちょっと違うかな。

情と愛は違うよって人になら言えるのに、自分のこととなるとわからなくなってしまったこともありました。振るほうがつらいなんて思わないけど、それでも別れはさみしいものでした。これもある種の失恋でしょうか。そこに感謝があった。

すてきな失恋たちに、すてきではない失恋たちに、愛を込めて。

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