マガジンのカバー画像

25
運営しているクリエイター

2022年5月の記事一覧

詩/存在の詩

癒してあげる、
とわたしが言う、
そのとき損なわれるわたしの部分を、
あなたはいとおしいその名でよぶ、
さびしいと言えてしまうほど愚鈍で平凡な、
あなたを見ていられないの、
どうしてかみさまはわたしに、
愛することのできる身体を与えたの。

しんでいいよ、とだれもゆるしてくれない。

きれいだね、かわいいね、
きみのこころはうつくしいね、
花が咲いたら見違えるようでしょう、
美しい言葉に耐えられぬ

もっとみる

詩/クリスマスの詩

ケーキの入っている冷蔵庫を開けると漂う生クリームの、パーティーを待つ匂い、これからきみはあの人の元へと走るだろう、シャンパングラスなんてなくても、あなたを思うことはできるよ、手放さないもの、手放すもの、すべてが今夜だけは、きみのいのちを祝福しますように、祈るぼくをどうか照らして。