空色シロップ

風さえ灼(や)けつく
夏の昼下がり

「氷」の文字が染め抜かれた
旗がはためく駄菓子屋で
透明なガラスの器に盛られた
ふわふわの雲のような
氷の上から
空色のシロップを
たっぷりかけてもらう

それは、
早朝の通り雨の後、
洗われた空気の中で見た
胸のすくような
夏の ほの甘いときめきと
爽やかな記憶が添えられた
未来まで抱えてゆきたい
特別な青だった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?