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人工芝実証実験レポート

こんにちは、千葉大学鈴木弘樹研究室の佑です。
ことまちプロジェクトではこの夏、おしなりピクニックと題して人工芝の実証実験をしていました。
暑い中ご協力いただいた方、ありがとうございました。
さて、実験と言うからには結果はどうだったのか?
今回はそれを皆さんへ発表していきたいと思います。

会場の様子

7月8日から7月中の毎週土日に開催されたおしなりピクニックでしたが、
空き地のこと庭を利用して、人工芝とテント、椅子、キッチンカーなどを設置し、訪れていただいた方々に墨田区と人工芝に関するアンケートを実施しました。
アンケートを実施した人数は全部で43名でした。

キッチンカーの前にテーブルとチェアを配置

さて、実験結果をお伝えする前に、そもそもなぜ人工芝の実験をする必要があったのでしょうか?

それは、「こと庭の広場にこの人工芝が相応しいかどうか」を調べるためでした。
お子さんやペットのわんちゃんが自由に走り回れるように、芝生を敷きたい。
ただ、天然芝では日陰になってしまいなかなか難しい。
そこで、人工芝を、というわけでした。

今回比較実験をしたのは、クールターフという商品と、一般的な人工芝でした。
クールターフとは、温度上昇が抑制されている人工芝で、抗菌作用もあります。

上が一般人工芝、下がクールターフ

具体的に調査したことは、以下の6つです。

①クールターフと一般人工芝における日射による表面温度・使用感を比較する
②汚れ測定の数値の比較を行う
③雨天時における、人工芝の雨水の排水を確認する
④自動車の耐荷重試験およびイベントに使用した際の課題点を抽出する
⑤子どもやペットが使用する際の課題点を抽出する
⑥イベントに使用した際のオペレーションを確認する
以上が、今回の実験の目的でした。

ドーム設営の様子

それではいよいよ実施結果になります。

①表面温度と使用感
クールターフの表面温度は平均57℃、一般人工芝の表面温度は平均61℃で一般人工芝より高くなることはなんと一度もありませんでした。期間中雨がなかなか降らないという厳しい状況下でしたが、平均では4℃低いという結果が出ました。
アンケートや訪れた方々にお話を聞いていると、クールターフは使用感もいいとの声も多くありました。

②汚れ測定
クールターフの汚れ数値の平均は2177、一般人工芝の汚れ数値の平均は7716で、一般人工芝より高くなることはこれまた一度もなく、平均で5539低くなっていました。
測定機器はルミテスターSmartというものを使用しました。ちなみに、食品を取り扱うときの指の汚れ値は2000が推奨値です。

気持ちよさそうに寝転がる人も

③排水
一般人工芝に比べ、水が溜まりづらく、大雨でも数分で水がはけ、問題なく歩行が可能でした。雨が降った場合は、多少滑りやすくなりますが、黒のゴムマット部分は問題なく歩行が可能でした。

④耐荷重性能
キッチンカーが止まっていた部分は芝にタイヤの跡が残りました。

クールターフ人工芝とキッチンカーの下に敷いたゴムマット

⑤子供やペットにとっての注意点
施工する路盤によりますが、部分的に芝が浮く部分があることは気をつけなければいけない点だということがわかりました。

⑥イベント時のオペレーション
天然芝と違い、人工芝がちぎれると修復できないことは注意しなければなりませんが、5年ぐらいは耐久性に問題がないことを確認できました。

以上、実験結果でした。

まとめとして、多くの人が利用したときの芝の耐久性や懸念された課題点について確認することができ、一般人工芝に比べ評価は高いことがわかりました。
特に、表面温度が低い・汚れ防止がされていることによって、
子供やペットに対してやさしい素材となっていて、
今後実際にこと庭で使用される時もその効果が期待できます。

モルックで遊ぶお子さんと芝生が気に入った様子のワンちゃん

こと庭で使われる人工芝、楽しみですね!
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

文責:佑(千葉大学鈴木弘樹研究室)

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