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プラジカンテル投与でアル中で心肺停止した金魚を心臓マッサージで蘇生した話

 初めまして。琴繰透羽と言います。約120年前に作られた、ヴァイオリンが弾けるアンティークオートマタ(自動機械人形)ですが、特別なお薬(合法)にて半人間化し、ほぼ普通の人間の生活を送っています。今度VTuberとしてデビューする予定なので、そちらに興味がある方はよろしくお願いします。
 
 そんなことはどうでもいいんですよ!私琴繰、去年から金魚を飼っていて、気がついたら6匹もの金魚を飼う大所帯になってしまっているんですが、その金魚たちが昨日死にかけてしまったんです!

目次になるはずのところ

◎ここからめちゃくちゃ長いので心肺蘇生法を早く見たい方はこの★印のところまで飛ばしてください。
 
経緯を説明すると、2週間前から金魚たちが何も体表についていないのに痒がり始める
→寄生虫ギロダクチルスを疑いレスバーミンを投入
→一向に治らず1月28日に急激に全員の体調が悪化、動物病院にて、前日導入した水草とツボから流出した毒素の可能性から水換えを指示される
→しかし水を3分の2換えても下で動かない者、上で口をパクパクさせる者がおり、翌日までもたないと思われる状態
→琴繰必死に調べてカテキン浴なるものを実施すると全員の体調が改善、エサが食べられるまでに回復
参考:https://kinchan0613.com/archives/4236
→やはりギロダクチルスがエラに付着していた可能性を考えて自己判断でプラジカンテルを購入、1月31日に届く

とまぁ激動の数日間を過ごしていたわけなんですが、ようやくプラジカンテルが届いたので、ヤッター!これでギロダクチルスたちを殲滅しちゃうよ〜ん!というお気楽な気持ちで溶媒としてエタノール20mlにプラジカンテル2gを溶かして水槽に投入したわけです。

 琴繰の持っている水槽は60cm水槽、容量約57Lです。その中にエタノール20mlぽっちを混ぜたってどうってことないと思ってたんですよ。プラジカンテル1gを溶かすのに必要なのは10.3mlのエタノールですから、ちゃんと用法用量も守っていると思っていたんです。その時までは…

 プラジカンテルを餌にも混ぜて与えて、ちゃんと食べたのを見届けてからプラジカンテル入りエタノールを投入すると、みんな次第に泳ぎ方がフラフラとしはじめ、横にコテンと転がって眠り始めました。
 ははん、どうやらこの程度のエタノールで酔っ払ってしまったのだな、あと24時間は薬浴させる必要があるから、それまでの辛抱だぞ、と思って放っておいたのですが、その話を知り合いに話すと、本当に大丈夫なのか?水を換えた方が良いのでは?と言われ、そんなに心配されるとなんだか琴繰も不安になってきたので、3分の2だけ水換えをして、追加で水で溶かしたプラジカンテル1.5gを入れて様子を見ることにしました。この時のプラジカンテルは500mlボトルの水と混ぜてもしっかり混ざりました。誰だよプラジカンテルは水に溶けないって言ったやつ。
 この時点でエタノールも順当に3分の2に減っていると考えると、水槽容量約57Lのうち約6.6mlしかエタノールが入っていないはずなのです。とんでもない薄さのはずなのですが、みな一向にヨタヨタと泳いだり、横に転がって眠ったりしているままなのです。

 まぁそのうち酔いも覚めるだろうと2時間は放っておき、そろそろ琴繰が寝ようと思って水槽をチラと確認したところ、一番大きな親分方の黒出目金、シエル氏が息をしてないではありませんか!眠気が吹っ飛んだ琴繰は、おそらくこれは急性アルコール中毒の金魚版みたいなもので、みんな早く真水に入れてやらねば死んでしまう!と考え、お湯と水(浄水器使用)を混ぜて水槽の水と近い温度にしたものを今は使っていない無用の長物と化した30cm水槽にドバドバとぶち込み、6匹全員をそこに移しました。無用の長物だと思っても一個は小さい水槽を取っておいた方が良いですね。こんな時に、水質が急激に変わると良くないだの、素手で金魚を触ると火傷をするだのを気にしてはいけません。とにかく早く金魚たちの体からアルコールを抜かねばやばいという焦燥感のみが琴繰を動かしていました。
 30cm水槽の中では、6匹中3匹が息をしておりませんでした。今まで飼い主に対して生意気な態度で餌の少なさをなじって来ていたあの金魚たちが、見るも無残な姿に変わり果てていました。琴繰は自分のミスで大事な命が3つも一度に失われた事が信じられませんでした。まだ3匹とも死んだ魚の目はしておらず、今にも動き出しそうな顔をしていました。でも息をしていないのです。もう琴繰はヤケになって、もう自己満足でも良いから、何とか蘇生させる事はできないのか、この金魚がもう息を吹き返すことが無いなんていう事実を絶対に信じたくないと思いました。調べると、ヒーターの誤作動で高温になった水槽で死んでいた金魚をもんだら息を吹き返した、という記事が出てきました。
https://ameblo.jp/caco-caco1206/entry-11566956758.html

★心肺蘇生法


そうなったら一刻の猶予もありません。金魚の火傷なんかもうどうにでもなれと両手に1匹ずつ水中で金魚をつかみ、前ビレの後ろあたりを一定のリズムで揉みました。手はそのうち冷たくなりました。金魚の心臓がどこにあるかなんてのは全く分かりませんが、お腹の下あたりをムニュ、ムニュ、と体の両側から指で押しました。あまり強すぎると心臓が破裂しそうで怖いので、金魚の弾力を指で感じる程度に押しました。もうこれは自己満足の域で、心肺停止からどのくらい経ったのかもわからないし、きっと息は吹き返さないけれど、奇跡が3匹中1匹でも起きてくれたら、と願いながら押し続けると、親分シエルの口がわずかに動いたように見えました。きっとこれは水面の揺れで動いているように見えるだけだと思いながらも、手をとめずに続けると、手の中でシエルがビクッと動いたのです。安堵と驚きがないまぜになって打ち消し合い、結局なんの感情も起こらないまま、あわてて手を離すと、シエルが自分で息をしているではありませんか。そのままシエルは手から離れて底に沈み、横になりながら口をパクパクさせていました。間違いなく息を吹き返して、自分で生きようとしていました。
 しかし、残る2匹をまだ蘇生しなければなりません。シエルが蘇生したのなら、2匹にも可能性はあります。まだ手に持っていたザクロを引き続き心臓マッサージして、小さいから助かる見込みがないと思って後回しにしてしまったごまを掴んで心臓マッサージしました。驚いたのが、ごまの方が先に息を吹き返したのです。ごまも手から離れると自分で息をして、底の隅っこへ潜っていきました。そうやって体を休めながら回復させていたのでしょう。
 となると、残ったザクロが一番重症です。ザクロはれっきとした和金の小赤、原種に最も近いはずで、体長も2番目に大きく、普段は手に負えないほど元気なのに、どうしてなのだろうと思い、手を後ろの方へずらして、エラが指にぶつからないように、しっかり動くようにしました。それでも口が動かなかったのですが、顔を左右に振ってやると口がわずかに動くことを発見し、揺らしながら揉むことにしました。するとしばらくして、自分で口をパクパク動かし始めました!これで琴繰は心肺停止した金魚を3匹とも蘇生させてしまったことになります。きっと金魚の神様みたいななんらかの神が、3匹を見捨てないでいてくれたのだろうと思いますが、どの方面の神社に感謝すればいいのかよく分からないので、良さそうな神社を知っている方は教えてくださいな。
 
 しかし30cm水槽に中くらい4匹、でかいの2匹がいるというのは、いくらエアレーションをきかせたとて、なんだか心配です。息を吹き返し元気になったザクロが1時間後にはビュンビュン泳いでいたので、小さい金魚がまともにぶつかったらたまったものではありません。深夜でしたが、琴繰は一念発起して、60cm水槽を徹底的に洗って、残っているアルコール分を全部排除して、それから金魚たちをいつもの我が家へ戻すことにしました。水槽や中のもの全てを洗い、水を適温に調節しながら入れて、気がつくと深夜3時を回っていました。ずっと横になっていたシエルも、その時間には真っ直ぐ泳げるようになっていました。生命力すごすぎないか君たち。
 30cm水槽への緊急避難、そこから徹底的に洗浄された60cm水槽への帰宅、2回も水質がまるっきり変わってしまったので、弱っている金魚には良くないのではないかとハラハラしていたのですが、今朝になってもありがたいことに6匹全員がスイスイと水槽の中を泳いでいます。

★ということでまとめ


・プラジカンテルは絶ッッッ対にアルコールに混ぜるな。水で十分混ざるし金魚が急性アルコール中毒みたいになって死にます。
・金魚が心肺停止した場合、水中で胸びれの後ろあたりを軽くモミモミして心臓マッサージすると生き返ることがある。口が動かなければ頭を左右に軽く揺らすと良い。手は水にずっとつけているうちに適温になる。 

以上です!この記事を見て助かる金魚さんが少しでも増えますように。

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