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【仕事編・身体からの言葉】 0ポイントと出会う旅

前回は

わたしは挑戦し、自分の0ポイントの範囲を超えるような刺激の素の下に自分を置いた。
そして立ち行かなくなる。当たり前に。
そして、いったん、刺激の素から離れるしかない自分の身体に抗えない。

とっても、素直。

わたしの自意識や思考は素直じゃないかもしれないが、
わたしの身体は、素直だった。

身体は、ひょっとしたら、個人の所有物なんかではなくて
この世界の一部でしかないのかもしれない。
自分の身体が自分のものだなんて思っているのは間違っているのかもしれない。

書いてみると、しっくりくる。
だとしたら、どうする?

と書いた。

朝、歩いていると、道の端に草や木が生えていて、季節や天候によってその様子が変化していくのを見る。
これらは、移動ができない。
移動ができないから、天候や季節に応答できている0ポイントの範囲で存在している。
有機的自律運動のはたらきのままに、応答できる範囲でしか命が持続できない。
そのことは消極的なように見えて、実は、すごい希望なんじゃないだろうか。
有機的自律運動のはたらきにあって応答できている範囲で持続できている。

わたしは「個体」だから、個体である範囲を自分だと思っている。
ところが、有機的自律運動のはたらきは、そんな区別をしていない。
続いている。混ざっている。分かれていない。
この世界の有機的自律運動のはたらきの中にあって、その中でしか持続できない命であるのに、まるで「自分」で生きているような錯覚をしている。

それは、移動できるからかもしれない。
大地と離れた途端、「自由」なような気になる。
しかし、足の下には常に地面があり、外に流れている空気と同じものが自分の体の中に流れている。
川の水と同じ性質を持ったものが自分の体の中にも流れており、木の中にある葉緑素と同じものが自分の体の中にある。
なにか特別大きく違うのだろうか、移動できないものとわたしは。

みたいなことがふっと湧いてくる。


過去の仕事を振り返ることをやっていて、30回転職のことを「ダメ」としか認知できていなかったところから、いや、それは当然起きていた、当たり前のことだった、と思えてきている。

「なぜ、わたしは仕事が続けられないのか」という問いの中にある時は、
前提に「ダメ」がある。
「ダメ」とジャッジした後に「なぜ、続けられないか」の問いが発生している。

「ダメ」を「ほんとうか?」と疑えるようになってはじめて
「何が起きていたか」が見えてくる。
わたしはなんにも見ていなかった。
なんとなく世の中に流れている「転職多いのダメな人」という、ふわっとした、思い込みの方を採用していた。
よしんば!(よしんばと言いたいだけ)、「転職多いのダメな人」であっても構わない。
この社会でそうであったとしても、そんなことよりずっと大事なことがあった。

わたしが、世界と、応答可能な範囲で生きていられているかどうか。

「ダメ」が先立っていると、もう、なんとも、どうにもならない。
「ダメ」にならないような工夫に走る。
それって、「ダメ」のジャッジをしているなにかに寄せていくこと。
それによって、自分の世界との応答範囲を手放していくことになるかもしれないのに。

だから、「ダメ」を前提に置いたら間違っちゃう。

木が、花が、空気が、雲が、波が、風が、そこにあって変化し続けているように
有機的自律運動のはたらきに常に0ポイントが取れていれば、こんな自由なことはないのだ。

個体は死ぬけど、個体でないものは死なない。
消滅したり発生したり変化しているだけだ。
移動できて便利なように思えて、個体の有機的自律運動の範囲は狭い。
それでも遠くに行こうとして、わたしはきっと個体なんだろう。
遠く。速く。多く。
そうやって人間の社会はできているのと、わたしはなんにも違わない。
遠く。速く。多く。
そうやって自分の0ポイントを見失い続けてきた。
社会的に「ダメ」ってことよりそのことの方がずっと、ずっと、もったいない。

身体は、ひょっとしたら、個人の所有物なんかではなくて
この世界の一部でしかないのかもしれない。
自分の身体が自分のものだなんて思っているのは間違っているのかもしれない。

書いてみると、しっくりくる。
だとしたら、どうする?
ことこ・ざわり

前回出てきた問いに、答えることはできなかった。
「粒と星座」の言葉がやってきて、そう問えるようになったことは、それだけでもすごい。
「ダメ」の前提から外れてみせる。
世界の一部でしかない身体で、じゃ、どうする? って、問えるようになった。

遠く。速く。多く。
これの反対側へ、指向していくことができるだろうか。


※ここまでに出てきた言葉はまとめています。
ひとりよがりな主観の言葉です。

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