鑑賞実践講座③|プログラム実践1
鑑賞実践講座 第3回|プログラム実践1
日時|2024年9月1日(日)10:00〜15:30
会場|ミューザ川崎シンフォニーホール 企画展示室
講師|三ツ木紀英(NPO法人芸術資源開発機構(ARDA))、ARDAコーチ3名
内容|
・ファシリテーションのコーチング(実践練習と振り返りの方法)
・パブリックアート鑑賞ツアー体験
鑑賞講座は前回までの基礎編に続いて実践編に入っていきます。
講座が休みだった一ヶ月の間に、ファシリテーションの感覚を掴もうとことラーの自主的な練習会も行われていました。
この日の午前中は、前回の続きでコーチングを行います。講座の中で1人1回ファシリテーションを体験し、その体験から学ぶ貴重な機会です。4人のファシリテーション実践を重ねると、前の人の振り返りを活かして次の人が実践することができ、仲間同士で学びを積み上げていく場が自然と生まれていました。
これから様々なシーンでファシリテーションする機会が待っています。ことラーはそこに居合わせた人たちと、アートを通してお互いを表現しあえる場を作っていく役割を担っていきますが、ことラー自身もその時々の瞬間を楽しみながら進んでいけるといいなぁと思います。
ファシリテーションの難しさは確かにありますが(私も10年以上取り組んでいますが、簡単だと思える日は来る気配がありません)、相手が作品をみてどんなことを考えているのか、そこから何を感じとっているのかに興味を持ち、耳を傾ける姿勢を大切にしていってほしいと思います。基礎講座の「きく力」がここで発揮されます。
午後は5回目の講座で行う鑑賞ツアーに向け、ARDAコーチの案内でミューザ川崎内に点在するパブリックアートの鑑賞体験をしました。
楽しく鑑賞する場を創るのに、VTSの技術がどのように活かされているのかを観察することも重要です。そこから自分たちの実践のイメージを作っていきます。
ツアーの初めはアートカードを使ったアイスブレイクからスタートします。このアートカードも何気なくおしゃべりしているようで、ファシリテータの振る舞いの意図を紐解いていくと、全てが安心して発言しやすい場作りへとつながっていることがわかります。
コミュニケーションの間にアートを挟むことで、その人がその人らしく表現しやすくなることを基礎講座で取り上げましたが、アートカードではそれを実感をもって体験できたのではないでしょうか。「気になる作品」「今日の気分」「最近の私」といったお題に沿って選んだカードからは、ことラー1人ひとりの個性が見え、自然と笑顔が溢れていました。
アイスブレイクでほぐれたあとは、館内に設置されたパブリックアートを鑑賞していきます。ミューザ川崎にあるパブリックアートは大きな作品ばかり。これまでのモニターやポスターでの鑑賞とは異なり、作品との距離を変えたり、身体を使って動きながらの鑑賞も新鮮な体験となりました。
作品の前で、ARDAコーチは、VTSの3つの問い、パラフレーズやフレーミングをごく自然に行って鑑賞ツアーを進行していきます。「VTSをする」ことと「VTSをつかってツアーをする」ことのちょっとした違いですが、体験としては大きな違いだったと思います。作品をみる目とともに場を観察する力も少しずつ身につけ、ことラボなどにも活かしていってほしいと思います。
次回の講座では、10/6に実施するツアーに向けて、準備を進めていきます。
(こと!こと?かわさきプロジェクトマネージャー 近藤乃梨子)