がん患者は悩む、その二

 色々な名前の知られた方々が癌に罹患したと表明をしているこの頃、どうお過ごしでしょうか。名前の知られている方、特に芸能人だと極秘に治療しているところを各種メディアに発見されて、あることないこと記事にされるよりも、最初に闘病生活に入ると宣言した方が、ややこしい事が減るのだろうな、という感想をもってしまいます。本来ならば、名前を知られているからといって、病名などを公に晒さなくてもいいのに、大変だなぁと同情してしまいます。そして普段は神様を信じていませんが、少しでも快方へ向かわれることを祈るのでした。

 がん拠点病院に長く治療のために通っていますと、「がん」といっても発生した部位(臓器や場所)により性質が異なり治療に使える薬が微妙に異なっていたり、また、同じ部位でも人によって性質が異なって細分化されていたりと、一般化することが出来ないです。なので、外から見れば「がんセンター」という名前の病院の中は、骨だったり、消化器だったりと診察室は細かく分かれています。医師ですら専門に分かれているのだから、患者当事者として自分の病状を学んでいる人をなどを除けば、普通の人やメディアの人がこの細やかな分類など理解していることはあまり無いです。

 ですから、公開されている非常に具体的には欠けた情報で、治療に対し何かを言える訳も無く、メディアにて取り上げる医師がいたら、その人は意見を聞かなくて正解です。公表されていない詳細情報を知る人は、守秘義務が発生しています。TV,ラジオ,雑誌といったメディアは専門的な知識無く煽るのが仕事のようなので、ほぼシャットダウンでOKです。

 長く患者当事者をやってきて、身についたことをいくつか書きます。


・メディアで悪目立ちな医療情報を発信する人は警戒アラームを切らないように、なるべく近づかない。
・医師ではない医療博士(栄養士など)の医療情報は治療に役立たないので、まじめに聞かない。
・医師の殆どは、治療に関して信用して良い。
・医師と患者は共に人間なので、反りの合う/合わないはある。合わない場合はビジネスライクに割り切るか、担当を変更できるか相談してみる。
・拠点病院は医師の育成も担っているので、転勤があり主治医が替わるのはよくあること。(治療の均展化のため仕方ない)
・セカンドオピニオンは治療を移せる態勢の所で受ける。
・心のケアも行われる方向になったので、主治医から精神科を紹介してもらえる。(最初の手術した頃はこの辺りのケア無し。精神科に偏見はいらない)
・病院内に相談窓口があれば、遠慮なく使おう。お金の話は大事だ。

 

がんサバイバー丸12年になるステージⅣの患者当事者。発がん時は今で言うところのAYA世代。就労しながら治療してます。