クラシック戦線異常なし2022〜2022年菊花賞振り返り〜

 先週の秋華賞に続き、いよいよ今日は2022年クラシック三冠の総決算、ラストを飾る菊花賞でした。京都競馬場が改修工事中のため舞台は阪神競馬場、仁川の坂を先頭で駆け上り、クラシック最後の一冠を勝ち取るのはどの馬なのか。
 皐月賞を制したジオグリフは天皇賞秋へと向かい、ダービーを制したドウデュースはパリロンシャンの疲れを癒し不在の菊の舞台、制するのは春に苦渋を舐めた馬か、ここに照準を合わせてきた馬か、それとも、春に怪我で悔しい思いをした馬か、夏を駆け上がった馬か。それぞれに思いを秘めて揃った18頭。

 今回の予想は、
◎:アスクビクターモア
○:ガイアフォース
▲:ボルドグフーシュ
△:セイウンハーデス、セレシオン
×:シホノスペランツァ、ディナースタ
 とちょっと穴めを狙っていってみました。

 ◎アスクビクターモアは、皐月賞5着、ダービー3着で今回の中では実績は一番。セントライト記念こそガイアフォースの2着となったものの、陣営のコメントも自信があるし、やはり、「一番強い馬が勝つ」と言われる菊花賞であれば、これまでのクラシックであと一歩と悔しい思いをしてきたこの馬こそが一番強いのではないかと。
 ○ガイアフォースは、そのアスクビクターモアを破った実績と、もし、怪我がなく春も走れていれば……と思わせる復帰後の走りに期待というところで。
 ▲ボルドグフーシュは新馬戦から一貫して2000m以上の距離を8戦し、馬券内を外したのが新馬戦とエリカ賞の2回という安定感、そして、抜群の上りで、前が残りつつも、最後の直線の差しが決まる傾向のある今の阪神ではかなりいけるのではないかと想定。
 △セイウンハーデスは少し穴めで前が残るのであれば、3着は入る可能性はないとは言えないかなぁ、と。セレシオンは外枠入ってしまってどうだろう、というのはありましたが、キレる末脚がとても魅力的な馬で、個人的にきてくれると嬉しい感じで。ただ、実績として小頭数のレースが多く(梅花賞に至っては5頭だてで1頭除外で結局4頭のレースに)、18頭と頭数の多いレースで持ち味が出せるかどうかという不安があり。
 ×シホノスペランツァは穴狙いだけど、こいつも良い末脚を持っているし、陣営の少し時計がかかる展開になればというコメントにも、ワンチャン感じるところがあり。ディナースタはすごく面白い馬で、最初は後方に位置して、中盤あたりで一気に先頭かその近くまで進出し、最後押し切るという、ウマ娘のスキルでいうとゴールドシップの「不沈艦、抜錨ォッ!」をさらに過激にした感じで、こいつが決まればなまら面白いだろうなぁ、というところで一発伝説になるレースを期待というところで。

 で、結果は
1着:アスクビクターモア
2着:ボルドグフーシュ
3着:ジャスティンパレス
 ということで、クラシック最後の一冠はアスクビクターモアがとることとなりました。
 ……皐月賞、ダービーを9着と残念な結果だったジャスティンパレスの成長を感じきれずに、馬券外しました。ちょっと、穴めを狙ってたというのと、外枠で先行はちょっと厳しさあるんじゃない? と思ってしまったのが敗因です。
 アスクビクターモアは、ハナをいったセイウンハーデスをみながらしっかりと折り合いつけて、3コーナーから4コーナーの出るべきところでしっかりと前に出て、最後は後ろからの猛追を凌ぎ切ってゴールという、これはきっと狙い通りだったろうなぁ、という競馬だったのではと思います。
 ボルドグフーシュも予想通りの冴え切った差し脚を見せてくれて、最後首の上げ下げというところまでアスクビクターモアに迫り、本当にあと少し! と、今回は負けたかもしれないですが、次のレースがとても楽しみな結果です。
 ジャスティンパレスは、予想できず、本当に馬にごめんなさいですね……。終始先団につけて虎視眈々と抜け出るところを狙い、上がってきたボルドグフーシュと併せ馬で先頭に迫りましたがあと一歩。夏でつけた実力は本物だと十分見せつける結果だったと思います。
 あと印をつけていた馬だと、○ガイアフォースは8着と最後の直線伸びずに沈んでしまいました。これはちょっと残念なところ。
 △セイウンハーデスはアスクビクターモアに出られるまで先頭を1000mを58.7秒というハイペースで引っ張って今日のレコード決着を演出したのが印象的。おそらく、そのペースに思い描いていた戦略が崩れてしまった馬も多くいるんじゃないでしょうか。
 セレシオンは最後のコーナーから直線で前を伺いそうな気配はあったものの、出足鈍く11着というちょっと残念な結果。やはり、いきなり多頭数のG1、しかもクラシックの舞台というのは厳しかったか。これから経験を積んで、いつかはG1に……と期待したいところです。
 ×シホノスペランツァは3コーナー通過までは後方3頭目だったのが、気がついたら5着でゴールと、狙った通りにレースを運んで、今持っている実力を出し切ったと思うんですけど、如何せん、今日は前が速過ぎた。ただ、そういう展開でも自分のレースができるというのは、きっと頭の良い馬なんだろうなぁ、と思うし、浜中ジョッキーの手腕なんだろうと思います。
 ディナースタは、序盤から前方につけていて、ちょっと面白いところが見られなかったのが残念。これが、自らそこへいったのか、そこに行かざるを得なかったのかは、ちょっとわからないですが、また面白いレースに期待したいと思います。

 さて、2022年クラシックもこれで終わり。
 3歳馬の頂点は、
 皐月賞:ジオグリフ
 日本ダービー:ドウデュース
 菊花賞:アスクビクターモア
 桜花賞、オークス:スターズオンアース
 秋華賞:スタニングローズ
 に。
 これからは、3歳同士だけの戦いではなく、百戦錬磨の古馬を相手にした戦いが始まります(すでに走ってる子たちもいますけど)。
 早速来週10/30(日)は府中東京競馬場で天皇賞(秋)です。3歳馬で出走が予定されているのは、皐月賞馬ジオグリフ、皐月賞とダービを共に4着のダノンベルーガ、そして、同じく皐月賞とダービーを2着とあと一歩でクラシックを逃したイクイノックス(菊花賞に出てれば本命にしようと思ってたんですけどね……)の3頭。
 迎え撃つのは昨年のダービー馬のシャフリヤール、昨年のオークス馬ユーバーレーベンをはじめとして、ドバイターフを制した逃げの殿堂パンサラッサに大阪杯はフロックじゃねぇぞのポタジェなどのG1馬に、札幌記念でそのパンサラッサを抑えて、逃げだけではなく番手に控えても十分に勝てるということを示して初のG1制覇を狙うジャックドール。
 果たして、昨年のエフフォーリアのように3歳の勢いが勝つのか、古馬の意地が勝つのか、また来週をお楽しみに、です。

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