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剪定の機械音

今日は朝から、外での剪定の機械の音がけたたましい。おかげ様で読書は諦めざるを得なかった昼過ぎ、こうして文章を起こすことに。カーテンの隙間から覗いてみれば、高所作業車のカゴはわたしよりだいたい3メートルぐらい高いところにあって、オレンジでも投げれば届きそう。車体の色はエメラルドグリーンだった。

アパートの前の下り坂の先に、限りなく同じ色をした重機らしき車がある。もしかしたら同じ車なのかもと思ったけれど、その車のところには木なんて生えてない、石と岩と砂ばかりだぬたはずで、だからやっぱり別の車だろうか。動いている様子は滅多に見ない。

そこにはもう一台、オレンジ色の重機がいる。そちらは、躍動しているのをよく見る。雨の降っていない平日なら、たいていはもりもりと働いているんじゃないかな。
わたしは、ひとの移動のためにしては過剰と思われる馬力と重厚感を携えている自家用車というのが苦手なのだけれど、重機の力強さは、その仕事にたしかに値していて、魅入ってしまうことがある。格好がついている、と思う。
鮮やかな、つまりは黄色とかオレンジとかはっきりした色の車体なのに、ギラついていないのも気分が良い。

ある役割の為の物というのは、その存在だけでもわたしを喜ばせてしまう。だからわたしはコーヒーカップを買い足してしまうのだろう。そして、選ぶ時には、多分無意識に楽しんでいる。何にせよ、重機はそこに居るだけでも嬉しい。


夕方にはきっと、カーテンの向こうは綺麗さっぱりしているのだろう。手入れされていないやんちゃな茂りが失われてしまうのは寂しい。でも、草木が残るためには仕方がないのだろう。
今も相変わらず外は騒がしい。わたしは仕方なく、集中半分で美文字練習帳のなぞり書きを進めることにする。

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