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前世占い喫茶

朝起きて、唐突に思い出した前世占い。

もう15年ほど前のことだろうか。

大阪にいた時、友人に連れられて前世占いをしてくれるという喫茶店に行ったことがある。

占いに興味はあるけれど、「前世占い」は正直眉唾物だと思っていた。

「前世」はだれにも確かめようがない。

「過去にこんなことがありましたね?」などと言われると、「当たってるー!」などのリアクションもできるが、「前世」。

聞いてどうするんだ・・・。

友人によると、前世は生きている今にも影響があるとのこと。

前世を知ることで相性や適職が分かるらしい。

ふーん。


その喫茶店はイギリス風の素敵なお店だった。

店内もクラシックで落ち着いた雰囲気。

前世占いについて特に看板があるわけでもなかった。

事前に知らなければ「素敵な喫茶店だね」で終わってしまうぐらい。

ほんとにここでやってるのかな?

飲み物を頼んでから、友人が果敢に「前世占いをお願いしたいんですけど」と言った。

おお。言った!この落ち着いたティータイムという雰囲気の中で!

店員さんは慌てず騒がず、紙とペンを取り出し、名前と生年月日を書くように言った。

1前世1000円。

私は、自分と、当時まだ学生だった二人の妹の前世の仕事を見てもらうことにした。

飲み物を飲みながら待つ。

占いの結果。

    私←チェコの文筆家

    妹1←マルシェで働く人

    妹2←役所などで働く人

ふーん。(妹の前世の場所は忘れてしまった)


その頃の私は、「物を書く」仕事にあこがれつつも、あきらめて会社員をしていたので、「少しは向いてたりするのかなあ」と思ったぐらいだった。

そして今。

妹1の職業は花屋さん。

妹2の職業は公務員。

私は・・・、やっと自分の気持ちに正直に「物を書く」ということを仕事にすべく、ライティングのお仕事を始めている。

え!

ちょっとすごくない?

当たってる(というのか??)!

前世の仕事と同じような仕事に就くということは、向いているということなんだろう。

じゃあ、「書く」道に踏み出した私の方向性は合っているんだな。

うん。

この道に踏み出していいのかなと迷いながら進む私の背中を、前世占いの結果が押してくれている気がする。

初めてのことをする時には「きっと向いてるよ」「大丈夫だよ」という応援の言葉が欲しくなる。

15年上前の占いの結果が、時を経て、今、元気づけてくれるとは思いもよらなかった。

自分の身の上に起こる出来事って、全部つながっているんだな、と思ったお話でした。

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