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『何なんw』とベルリン天使の詩をめぐる妄想

これは、天才アーティスト藤井風(ふじいかぜ)くんの
デビュー曲『何なんw』に触発されて
広がる私の個人的妄想である。
しかし、
同じタイプの人間はこれを読むと
おそらく魂が震えて
心に羽が生え
自分がこの世界に降りてくる前にいた
世界を思い出すであろう。

『何なんw』(何やってんのー。)
『”わし”かて、ホンマは天使やってんやーっ!』てな具合に。
降りてきた天使の皆さん。
思う存分味わってください。
そして思い出してください。
ホンマは自分かて、天使やってんやん!っと。
アーメン(';') そーめん(*'ω'*) ひやそーめん(*'ω'*)
チーン!


『何なんw』と天使の記憶


冒頭にも書いたけれど、
これはごく、個人的な妄想である。
よって妄想から広がる世界がお嫌いな方
現実を固く平穏に維持したい方は
読むことをお勧めしません。(笑)

ごく最近であった藤井風(ふじい・かぜ)くん。
音楽的なことは、既に熱狂的なファンの方が書いている
情報などがありますので、そちらをどうぞ。

ここでは、
藤井くんの曲の歌詞の背景にある
目に見えないこの世界を取り囲む
”向こう側の世界観”が自分にとてもフィットするので
その世界から、妄想したことを書こう。

私たちは ”物質と目に見える価値の世界”を
目に見える形で定義されたものだけを頼りに
生きているように感じている。

その結果、苦しかったり、しんどかったり。
落ち込み、行き詰り、希望を亡くしたり。

それに対して藤井くんのデビュー曲
『何なんw』は
日々落ち込んだり、壁にぶつかったりしながら
人生を行きつ戻りつ暮らしている私たちを
見えない世界の側から
そばで見ている
『岡山弁の天使/ハイアーセルフ』が登場する。
そして、
できの悪い子供をしんぼう強く見守る
親のように
天使のボヤキを歌っている。
興味のある人は、
note『何なんw(';')~!見守り天使たちのボヤキ』
も読んでね。(*^^)v


『何なんw』

この歌を聴いていると
単に自分の周りにいる天使たちの嘆きだけではなく
もっと壮大なイメージが湧いてくる。
そもそも、
なんでこんな厄介で制限に満ち溢れた世の中に
やってきたかというそもそもの話だ。



天使が経験できないこと


『何なんw』のビデオクリップに出てくる
白い服を着た天使たちのイメージは、
私の大好きな映画
『シティーオブエンジェルス』の天使たちを思い出させた。

映画シティーオブエンジェルは、
死者の魂を天国に導く役目の天使のセスが
手術室で患者の命を救おうと必死になっている
女医のマギーに出会い恋に落ちる話。

天使であるセスは、
天使であるがゆえに、
人間がもつ色や味、体感などはあじわうことができず
人間の彼女を抱きしめることも出来ない。

悩んだセスは、天使の永遠の命を犠牲にして
人間になることを決意して
生命の喜びと悲しみを
凝縮してあじわうストーリ―だ。

この作品は、
映画『ベルリン天使の詩』のリメイク版と言われていて
恋した女性に出会うためにという設定は同じ。

人間としての人世をどこまで描くかが
異なるものの
『永遠の生命をもった天使』が
人間の喜び、悲しみ、楽しみ、怒りといった
肉体を持つことで味わうことのできる
この世界を体験したくて
わざわざこの世界に降りてきて、
体験しているというコアな部分は共通している。

象徴的なシーンとしては
シティオブエンジェルの天使セスが
人間に生まれ変わろうと決意して、
鉄塔の上から天使である自分の
身投げ自殺を図る場面。
天使の世界には
人間のような凝縮された痛みや
肉体を通じてあじわう官能はないので、
鉄塔から飛び降りる前にも
『痛みへの恐れ』はない。

飛び降りて目を覚ましたセスは
路上で血を流しながら目を覚まし
自分の肉体が強烈な痛みを
感じていることを知る。
そして、
自分が確かに人間に生まれ変わったことを
確信して喜ぶシーンがあるのだ。

同じくベルリン天使の詩でも
天使たちは、
第二時世界大戦直後のすさんだ街で
混乱の中にいる人間たちを
静かに見下ろしているが
どこか所在なさげ。
直接自分で『経験』をあじわえないことが
もどかしい様子だ。

そろそろお時間です。自分の羽を生やしましょう。

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シティーオブエンジェルや
ベルリン天使の詩にもあるように
天使たちの中にも
天使業に飽きてしまい、
プレーヤーとしての人間を希望した存在が
結構な数いたようなのだ。
そう。私であり、あなたである。

セスが人間として生まれた証拠として
血が流れるのを喜んだように、
傷つき、暗闇を経験した痛み。絶望。
お陰でちゃんと天使としてでは味わえぬ
経験が豊かになりました。
これぞ!人間のだいご味。
藤井くんの『何なんw』の言葉を借りるなら
”肥溜め”=エゴの渦巻く世界の中で
完全に忘れ切って、
もがく体験をしたくてこの世にやってきた
好事家の天使、しっかり人間愉しみました。

だから
そろそろお時間です!

背中の肩甲骨のあたり、ムズムズしませんか?
もう羽を生やしていいのです。
あなたそのものの羽を生やしてね。
人間やりながら、
天使だったことを思い出してももう大丈夫なんだよ。
もう一度、
無味乾燥な天使に戻れとは言われずに、
この世界を楽しみながら、
肉体とともに打ち震える体験も
できるようになったんだから。


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