見出し画像

嘘・京都・花嫁



皆さんはベイビーフェイスプラネッツというレストランチェーンをご存知だろうか。
私は今住んでいる街に来るまで知らなかった。
地元愛媛としばらく住んでいた東京には店舗が無いらしい。

全国・世界に100店舗近くあるレストランチェーンで、店の入り口に片膝を立てた大仏様が左右対象に置かれていたり薄暗いシャンデリアが天井から吊るされていたり、異国情緒漂うなんとも言い表し難い不思議な店である。

店内に入るとレースのカーテンで仕切られた煌びやかな壁紙の小上がりになっている個室に案内される。
全ての個室に小さなモニターがついており、そこで永遠にトムとジェリーが喧嘩をするさまが映し出されている。

メニューはパスタやハンバーグなど洋食がメインであるが、ガパオライスやナシゴレンなどのエスニック料理も混在していて面白い。
並盛のことをセレブサイズと表記しているのも面白い。
トムとジェリーが見れるから面白い。
面白いからたまにベイビーフェイスプラネッツに行く。
あとポテトがアホみたいに美味いのでたまにベイビーフェイスプラネッツに行く。

その日は友人がサイゼリアに行ったらしく、メニューの間違い探しの写真を送ってくれていた。今住んでいる街や地元愛媛にはサイゼリアが無い。
注文した料理を待ちながら、ポテトをつまみながら、サイゼの異様に難しい間違い探しをやった。面白かった。


また別の友人が、Twitterで『嘘みたいな内装の店に来た』とレストランの画像を呟いていた。
見覚えのある薄暗い店内に煌びやかなシャンデリア、高級感のある壁紙に水を吐き出し続ける象に金色の大仏。
ベイビーフェイスプラネッツだ。

確かに、嘘みたいだよなーとウケた。



また別の友人の結婚式に際し、京都へ。
伊丹空港に着いてからの記憶よりも、長崎空港までの道のりの方が遠かったように思える。

朝イチの便、休日にも関わらず同居人に早起きしてもらって空港まで乗せてもらったのだが、ものすごい豪雨。朝7時の時点で靴とズボンの裾はもう終わりを迎えた。
長崎空港は湾の埋立地の上にポツンとある。ズボンと靴を濡らしながら空港にたどり着く。
豪雨と共に上空へと雷雲が来ているそうで、飛行機の準備から遅れていた。
ピンポンピンポン・・・かみなりくも発生のため搭乗時間が遅れますことをお詫び申し上げます、とANAが言う。
埋立地の空港の上空に雷様が嬉々としてでんでん太鼓を振っているのを想像する。

そんなこんなしていると30分遅れくらいで飛行機に乗り込み、豪雨の九州の上空を抜けて無事に伊丹空港までたどり着いたのだった。


これは京都で見つけた回覧板を守る狸

同じく結婚式で京都に来ている友人たちと合流し、芸大の文化祭に行ったりショッピングに歩き回ったり、おでんやらパフェやらを食べたり。
京都が楽しいのか、友人との旅行が楽しいのか。

でかパフェの食品サンプル



翌結婚式当日。
おしゃれでこぢんまりとしたアンティーク調のスタジオが開催場所であった。
お堅いクラシックな式ではなく、カジュアルでお食事会のような雰囲気に初めての参列だった私はほっとした。

花嫁の友人とは高校の同級生で、今は私とはあまり交友のない同級生も参列していて、こういった場合何を話せば良いのか、頭はフル回転だ。
わずかな共通点や会話の糸口を、藁、ほどではないが丈夫めな紙ロープにすがるくらいの気持ちで探る、さぐる。
あまり交友のない同級生のインスタは全てミュートにしてしまっているので全く情報がない。ミュートするのはやめておいた方が良いなと学んだ。

式場

結婚式=感動という方程式がいつの間にか脳内で構築されているらしい。
友人が綺麗な花嫁姿で涙している様子を一眼見ただけでボロボロ泣いてしまった。
しかし幸せいっぱいの姿を見られて、これは嘘偽りない感動だ。
こちらまで幸せで胸が一杯になった。

フラワーシャワー



式の後からはひとり行動だったので、喫茶店に入ったりして残りのスケジュールを過ごす。
京都は楽しいし、ひとりで過ごすのも楽しい。
高校時代に昼飯を囲っていた友人の苗字が変わったこと、友人の人生の大切なターニングポイントに参加できたこと、友人の幸せそうな花嫁姿。
喫茶店のホットケーキにシロップをべちゃべちゃと浸しながら、ふわふわと余韻に浸った。

ホットケーキとアメリカンコーヒー


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集