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ポイントカード


ポイントカードが苦手だ。

レジの際に、免許証やら保険証やら診察券やら何枚かのクレジットカードやらありとあらゆるカードが財布の中でごちゃ混ぜになって、これでもないあれでもない!とひみつ道具を探すドラえもんのようにあたふたしてしまう。

後ろがつかえていたら尚更焦る。
ただでさえ普段から気にしいな性で、なるべくスムーズにレジが進むように商品のバーコード面を上に向けておいたり、お支払いのとき素早くお金を出せるように小銭を数えて構えていたりする。(無駄な気遣い。)
あたふたポイントカードを探す時間がとても苦手なのだ。

財布とは別にカードケースを作れば便利なのかもしれないが、おっちょこちょいな私だ。
カードケース自体を自宅に忘れてしまうことはもう目に見えている。

ポイントがアプリで貯まるタイプだとかさばらなくていいのだが、私は存在自体まるっと忘れてしまう。
いざ、会計の際にアプリあるんだった!と慌ててアプリを起動すると通信速度が遅かったり閉じなければならない通知の画面が出てきたりで何秒かのロスタイムが生まれる。

すぐバーコード読めるようスキャナー片手に待ってくれているレジの人、ごめんなさい。重たいカゴを持って待っている後ろの人、ごめんなさい…。
私が鈍臭いばかりに…と落ち込んでしまうのだ。


だからどうしても、
毎回レジのたびにポイントカードを気にかける煩わしさ>ポイントが貯まる喜び
となってしまう。



先日、スーパーのレジのおばちゃんにポイントカードはありますか?と訊かれた。
ないです!と答えると、
「あら、ざんねんやったね♪」と言われた。



エコバッグを助手席に積んで、帰り道車を走らせながらおばちゃんのざんねん♪のひとことが頭から離れなかった。
ポイントカードを持っていないことは残念なことなのか…!


たしかに、今回ポイントカードを持っていたら数ポイントは貯まっていたのだ。
その数ポイントが貯まりに貯まったらこのパンだって買えるし、お肉だって買えるかもしれない。
あそこにベンツが停まっていますね。もしあなたがポイントを貯めていたらあれくらい買えたんですよ。かもしれない!




ポイントカードの真理に気づいたころ、自宅に着いた。
靴を脱ぎ手を洗いエアコンのスイッチを入れ、買ってきた食材を冷蔵庫にしまう。


でも、やっぱり、かさばるし、わずらわしいし、
いらないや。
レジのおばちゃんの「ざんねん♪の」ひとことはエアコンの冷風に吹き飛ばされていった。



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