実家を離れた

昨日から1年半ぶりに実家を離れ、飛行機で1時間半の先に住んでいる知人の家にいる。
知人に挨拶などを済ませ、知人が部屋を離れ一通り落ち着いて自分の時間ができたのでまた日記を書く事にした。
昨日の朝は、旅立つ緊張があるせいか、いつもより早めに起きた。
2階の自分の部屋から台所へ向かうといつもより早く起きていた母がおにぎりを作っていた。
実家を息子が離れる寂しさから少しでも共有できる思い出を残そうとしてか朝早くからおにぎりを作ったのではないかと思うと離れるのが辛くなってきた。
まあ勝手な推測だけど。
おにぎりの食べ方について少し悩んだ。
母が早起きして握ったおにぎりを噛み締めて食べる。
すると色んな考えが周り、親のそばにずっといて何気なく生活して歳をとっていくって親の老後の生活の面倒をみるのが1番の親孝行なのではないかという思いが湧いた。
だけど今のところは僕もやりたい事があるのでなかなかその親孝行はできそうにない。
いつかは親に安心感を与えるような生活をしたいところだ。
僕は勝手に想像を膨らませたその架空親孝行を頭から打ち消すために途中からわざとおにぎりをいつも通りの早食いで粗末に食べることに。
これで良かったと思う。
噛み締めて食べても実家を離れる事実は変わらないし悲しくなるだけだったので。
食べ終えて自分の部屋に戻って、この部屋とも最後かあ。と一年半分の感謝と離れる寂しさをしみじみ噛み締めた。
こんなドラマの東京タワー的な脳内演出を随所でして何かと離れて別れる事に意味合いを持たせることが自分のナルシストな部分なのかそれとも誰にでも起こる生理現象なのか、それにしても疲れてきた。

今回の療養で母を家に1人残すことは果たして息子、長男として正しいのかと考えるようになった。
自分が母の立場で考えると、元々4人暮らしの実家から息子が2人離れ父も入院で離れ、1人で住む事になるのは虚しさ寂しさ心細さがある。
それに年老いていつ何かが起きてもおかしくない。
もう少し待っていてほしいと思う。
まあ、一生実家に戻らない的な雰囲気を醸し出してるけど、半年後には戻ると決めているからそこまで寂しさを噛み締める必要もないのかもしれない。

ついに家を後にして空港へ。
空港に着くとすぐに手荷物を預けて知人へ渡すお土産を買いに行った。
お土産を見ていると美味しそうなチーズケーキが置いてありこれを買う事に、すると母も家で食べるように同じチーズケーキを買うという。
凍てつく寒さの中、家で1人ホールのチーズケーキを食べる母を想像すると切なくなり離れるのが更に億劫になる。
自分がそばにいて支えられない不甲斐なさというか
いても今は迷惑かけるだけなのでしかたないが。
まあとにかくこのテンションだからもちろん何をしても悲しく虚しく切なくなるだけだった。
それから母と別れ飛行機乗り知人のいる地域へ向かった。
空港に着いてそれから電車を乗り継ぎ1時間半ほどで知人宅まで着いた。
知人宅に着くとすぐに知人と回転寿司に行き寿司を食べる。
地元にいる時、父の病院の面会の帰りに母とよく回転寿司に行って寿司を食べたが今はテーブルの目の前に母はいない。
僕が帰ってきた時しか回転寿司に母は行かないので
今頃、母は1人で何をしているかと考えてしまい来たばかりだというのに実家へ帰りたくなるホームシックに陥ってしまった。
しかもマザコンも発症してしまった。
それからというもの強烈なマザコンホームシックに。
スマホで撮った実家の自分の部屋やリビングの写真、そして母や父、祖父母の写真を見返してホームシックに拍車をかけてしまっている。
今現在もとてつもないホームシックだ。
知人は10日間家を留守にして僕がその間に家番をしている。
しかし、このままでいくと10日間経ったらまた実家に戻ってしまいそうだ。
非常に苦しく厳しい状況。
どうにかこのホームシックを解消できないものだろうか。

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