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「バラには水を」

昔、誰かが歌ってた。

バラに水が必要なように、
詩人に悩みが必要なように、
僕にはキミが必要なんだ。

あの頃は、ダサいって思ってた。
女々しいって笑ってた。
そんな歌を今さら思い出したのは、
愛が枯れるのだと知ったから。

水を注がなければ、バラは枯れてしまう。
そんなことは言われるまでもない。
じゃあ、愛は?
愛だって、注がなければ枯れていくのだ。
たとえば、ことばを。
たとえば、視線を。
たとえば、熱を。
そんなこと、知らなかったんだ。

昨日まで、美しく咲いていたはずの愛は、
もうとっくに枯れていて、
色を失くし、香りもせず、朽ち果てていた。

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