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境界線
ふたりの間には、見えない境界線がある。
それを引いたのは彼女。
はみ出さないと決めたのは彼。
つまりは、ふたりとも臆病者なのだ。
境界線を一歩踏み出せば、
もう、友だちには戻れない。
恋へと進んでしまえば、
もう、引き返せない。
だから、ふたりは足踏みをするばかり。
このままでいいの?
と彼女は迷う。
このままでいい。
と彼は言い聞かせる。
境界線のあちらもこちらも
同じ想いがぐるぐると堂々巡りをして
抜け出せない袋小路に迷い込む。
何ともじれったいふたり。
ねぇ、恋に終わりがあるなんて、
いったい誰が決めたの?
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