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「ものとものとを結びつけて新しい情報をつくっていく」ことの難しさ。


阪神百貨店のOさんからこの催事の話をうかがったのが去年の暮れ。

柄にもなく、それからいろいろ考えた。
そしていつでもそうだけど、その日が近づけば近づくほどいろんなことが頭を駆けめぐって妄想の止めどころがわからなくなってくる。

そんなとき、この催しのウェブサイトのためのインタビューを受けました。
「自分が好きになる暮らし展」のための本選びの話です。

https://www.hanshin-dept.jp/dept/e/kurashi/books.html

「今のところ、1冊ずつの本を解説することはあまりやりたくないと思ってます。100冊なら100冊の総体として僕はキャッチしてるので、その全体を見せて感じてもらえるような展示にできれば。けど、本来、読む本をイメージとして取り扱うのは、本にとって粗末な扱いでもあるから。ただのディスプレイだと受け取られないようにしなければ...って、プレッシャーだよな(笑)」

まあこれが本音かな。

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本棚(library)をつくることは、いうまでもなく編集作業である。

本屋の仕事は編集だということは日頃から意識しているし、本だけじゃなく、その対象がどんなものであれ、編集すること、つまりeditorが自分の職能だという確信は持っているんだけど、じゃあ素材(本)のことをどれだけ知っていて、世の中の誰にもできないプログラムで、それを表現できているのかと考えると、いささか心もとない。

もっとたくさんの本を知っていれば、もっと心に響くセレクションになるんじゃないか。
もっといろんなことを知っていれば、もっとシャープに切り取れたんじゃないか。

ものとものとを結びつけて新しい情報(ランドの言うう"relationship")をつくっていく」ことの難しさ。

このインタビューで伝えたかったのはそんなことだったのかもしれないと、今になって思っています。


□ 自分が好きになる暮らし展

阪神梅田本店 8F催事場
3月17日(水) - 23日(火) 10:00-20:00(最終日は16:00)
https://www.hanshin-dept.jp/dept/e/kurashi/


お時間があればぜひお立ち寄りください。

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