見出し画像

アルバイトが持っているもの。

飲食店でアルバイトをしていると、色々な出会いがある。

私のみていた世界は小さなもので、多様性のないものだったと気付かされる。私の通っている私立の大学は、「国際系ならここだよね」と言われることもあるほど留学生や帰国子女も多く、いわゆる想像しやすい多様性には溢れているのかもしれない。

そこに国としての多様性はある。だけど、その大学に通えるだけの一定の経済力があり、学びたいという思いがあるという面で見ると一様なのかも。年齢もそうだな。


だけど、飲食店にいると、今までとは違う「せかい」と繋がっていく感覚がある。

お客さんの職業もバラバラで、年齢もバラバラ。

お母さんグループのママ会が開かれることもあれば、会社帰りのおじさんたちが集まることもある。女子会だな〜という女の子何人組かのこともあれば、夫婦、子供連れの家族、付き合いたてなのかな?というカップルに、もしかしたら初デートなのかもと思う男女の組み合わせ。

わいわいと楽しそうなグループもあれば、終始何も言葉にしないところもある。男性が払うこともあれば、女性がお財布を開くこともある、もちろん割り勘もある。現金派なんだよね、と話す人。paypayは使える?と聞く人。注文をメモするのを待ってくれる人もいれば、全然声が聞き取れない人もいる。おすすめは?と聞いてくるのに選ばない人もいれば、私のおすすめで何品か選んでと任せてくる人もいる。

店員としてのありがたさは違うけど、ここにはいろんな人が来るのだと実感することができる。


アルバイト先に行くと、アルバイト先の私になる。

将来やりたいことを話すわけでも、学校で何を学んでいるのかを話すわけでもない。だけど、ご飯をおいしいと言って食べて、面白かったドラマの話をして、アルバイト仲間や店長、社員さんと一緒にお酒を飲む。

何者でもない私になって、店員としての私になって、その日1日を過ごす。


お金を稼ぐためのアルバイトは、お金を稼ぐ手段としてのアルバイトにも、私と誰かをつなぐアルバイトにも、私が私になるアルバイトにも、新しい人格をくれるアルバイトにもなる。

本当の多様性ってなんだろうね、っていう話をアルバイトを通して話したいと思っていたのに全然違う方にいってる。まあいいか。

明日も私は、アルバイトに行く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?