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連作短編小説「あたたかなおうち」

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ひとり暮らしをしている「みみちゃん」が選んだアイテムたちの、とても短くて小さな物語を公開しています。
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#健康

てつびんてつこさん

私はてつびんのてつこ。 このおうちで誰よりもみみちゃんの健康を守っているの。 私は三代目の鉄瓶で、いっぺんにたっぷりのお湯を沸かすことができる。 みみちゃんが最初に買った小さなきょうだいは容量が少なくて、みみちゃんのお母さんが使うことになった。 みみちゃんのお母さんは小さくてかわいいものが好きだから、ミニチュアの鉄瓶みたいなきょうだいをとても喜んだんですって。 次にみみちゃんが買ったのは中くらいの大きさのきょうだいだった。 中くらいの大きさのきょうだいは650ml

そうじきのマキタさん

ふしゅっ、ふしゅんっ。うしゅっ。 みみちゃんが、なんどもくしゃみをくりかえしている。 さいきんのみみちゃんは、くしゃみと鼻詰まりのひんどが高くなってきているような気がする。 ぼくはスティック掃除機のマキタ。 みみちゃんの健康のために、おへやのホコリをぜんぶ吸いきるくらいの覚悟でいつもお掃除をしている。 みみちゃん、大丈夫かなあ。 ぼくはしんぱいになる。 どんなにぼくとベルジェさんががんばっても、くるまの排気ガスは「りゅうし」というのが