＃005 ジロジロ持論

【0を100に出来る事に気付いて欲しい】

珈琲屋に行く理由は、珈琲を飲む事。

そして珈琲屋に行けば、必ず珈琲がある。

何も期待せず……何も求めずに、0の状態で行っても100返ってくる。
それはハズレの無い宝籤みたいなモノだ。

メイド喫茶に行く理由は、メイドに会う為。

そしてメイド喫茶に行けば、必ずメイドが居る。

何も期待せず……何も求めずに、0の状態で行っても100返ってくる。
それはハズレの無い宝籤みたいなモノだ。

自分はずっとそう思って珈琲屋に行っていて、そう思ってメイド喫茶に行っている。

なので、基本的には毎回0が100になった状態で良い気分のまま帰れる。正直、最高だ。

が、周囲を見てみると……どうやら皆が同じでは無いように見える。

端的に言えば、初めから"求め過ぎている"と感じる事が多い。

「苦くない珈琲が飲みたい」
「量が多い珈琲が飲みたい」
「熱くない珈琲が飲みたい」

と、端から50を求めて珈琲屋に行く人間が居たりする。

別にそれ自体を『悪い』と言う訳ではないけれど、個人的には【勿体無い】と思ってしまう。

メイド喫茶やコンセプトカフェ等に行く人間にも同様で。

「特定のメイドさんともっと会話をしたい」
「使った時間と金に見合う待遇を受けたい」
「更に優しくされたい、話を聞いて欲しい」

と、きっと人の数だけ様々な"求めすぎている"モノがあって。

やはり、それを端から見たり感じたりしては【勿体無い】と思ってしまう。

その求めるモノというのは本来は、あくまでも副産物であり……カレーを注文してらっきょうや福神漬けが付いてきたらちょっと嬉しいな、程度のものの筈だと自分は考えている。

それを初めから、カレーを注文するのだかららっきょうか福神漬けが付いてくるのは当然だろう、と思ってしまっている人達が多いのではないか……。

そこそこ長い間、界隈に身を置いてきた自分の目には昨今のお客達は特にそれが顕著に表れているように映っている。

珈琲屋は、美味しい珈琲を提供しようと考えて珈琲を出してくれる。
言い方の問題はあるけれど……こちらが何もせずただ珈琲を求めるだけで、より良い物を提供しようとしてくれるのだ。

メイド喫茶やコンセプトカフェも同様で、メイドさん一人一人がその場その場でより良い接客方法を思案して、客側が何も求めずとも楽しませようと喜ばせようとしてくれるのだ。

それを、客側が過度に"求め過ぎている"事によって折角100ないしはそれ以上の150や200渡してくれようとしているのに、最初から50求める事により－50からのスタートになってしまっていて……結果的に100貰った所で50にしかならず、いつまでも満たされない事に気が付かず自ら上限50設定の客として通ってしまっている人が散見される。

と、急に話は飛ぶけれど……一度全員ディズニーランドに複数回行ってみて欲しい。

そこで長蛇の待機列、急な天候の悪化、限定商品の品切れ、ショーの中止、そういった場面に出会した際に気持ちを切り替えられない人間は、客として少々難しいと思っている。

暴論中の暴論だけど、割りと本気で。

自分の中では、ディズニーランドは目的と達成が同居している究極のテーマパークで……
ディズニーランドに行く理由は、ディズニーランドに行く事、だと思っている。

つまり、ディズニーランドに行きたいという事はディズニーランドに一歩入ったら既に願いが叶っている状態で、スタートした瞬間にゴールしているようなもの。

だから、いくら待ち時間が長かろうと急に雨が降ろうと買おうと思っていたぬいぐるみが売り切れていようと楽しみにしていたショーが中止になろうと、何も意に介さないのだ。

珈琲屋で珈琲が飲めれば良い。

メイド喫茶でメイドに会えれば良い。

ディズニーランドに行ければ良い。

それ以上もそれ以下も無い、堅実で確実な100。
それ以外の要素はオマケであり、サブイベントであり、決して目的等ではない。

珈琲が想像より苦かろうが、特定のメイドさんと一言も話せなかろうが、楽しみにしていたショーが観れなかろうが……既に100は100。目的は達成済み。ミッションコンプリートしているのだから。

などと、他の方々をジロジロ見ている訳ではないですが……Twitterや店内外での言動の端々を見聞きして思った事を倩と書き殴ってしまいましたが。

言いたい事は批判や否定ではなく、あくまでも途中にも書いた通り【勿体無い】と思ったという事。

簡単に、単純に、安直に、0を100に出来る事に気付いて欲しいという事。

何より……

ここまでの全てが、自分の勝手な持論だという事。