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全ての恋する者たちの行方

『恋に焦がれても愛に溺れても』

知らない街の知らない駅で、よく知っている夜を見ていた。
終着点から折り返すしか無い列車を何本も見送って、あなたと繋がっている空を眺めていた。
少し雨粒が落ち始めて、星も月も灰色の雲を布団代わりに風邪に魘されていたけれど。
きっとそのどちらより、わたしは熱に侵されていた。

恋に焦がれてちょっと火傷をしたみたいで、愛に溺れれば冷ませると思ったけれど全然だ。
胸部や頭部の熱が、身体中に拡がっては温度と心拍数は上がり続けていた。

いっそ脈なんて無かったら良いのに、なんて。

知らない街の知らない駅で、知らない感情に出会っていた。


この感情の終着点がどうかあなたに繋がっていますように。

折り返す事なく、あなたに留まっていたいから。

『恋に焦がれても愛に溺れても』

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