見出し画像

従来型から一歩進んだ骨伝導ヘッドホンFIL TUNE 試してみました!

みなさん、こんにちは!
岩尾です。

かけはし設立後、本当に多くのご縁に出会い感謝しているところですが、
先日の西日本新聞さんに掲載された西南学院大学でのアニメで知ろう!難聴講座の記事を読んでいただき、ご縁を頂いたのが、株式会社ムトウさんです。

こちら、医療機器の卸をされている会社さんですが、
従来型から一歩進んだ骨伝導ヘッドホンを取り扱っていまして、今回、デモ機で体験させてもらいました。

いや、これ、僕は全然知りませんでした。
やっぱり、まだまだいろんな情報が世の中にはありますよね。

ということで、僕も娘と一緒に試してみました。

まず僕は耳栓をして試聴。
実は従来の骨伝導補聴器を試したことがないので、その差はわからないんですよね。

で、骨伝導は、耳穴に当てるのではなくて、耳のすぐ横の部分に当てます。
難聴ではなくても、骨伝導イヤホンというのも今出てますよね。
周りの音も聞こえつつ、イヤホンで音楽を楽しめるというやつですね。

さあ、試してみたところ・・・

ほうほう・・・
聞こえるね。

ちょっとザーっというバックグランドの音がしてるけど・・・と思ったら、どうやらそれは空調の音。
これを拾ってたのね。
試しにクーラーを消してみると、随分静かになりました。

声も、まあ、僕はもともと聞こえるんですけど、
耳栓をしても、若干作られた?録音された?若干加工された?
というような聞こえ方ではあるものの、まあ言葉は良く聞こえました。

そして、これ、Bluetooth接続できます。
そこで、スマホとつなげて、音楽を流してみましたが・・・・

おおお!!!
これはすごい!!!

めっちゃクリアな音!
CDで聞くようなきれいな音が聞こえてきます!
これは素晴らしい!

ここは、従来の骨伝導イヤホンと比べてみたかったですね・・・
どうやら、従来の電磁式ヘッドホン(多分従来の骨伝導ヘッドホンのことと思いますが…)の100倍の情報を届けられるとのこと。
この部分は、素晴らしい音質でしたね。

さあ、我が娘はどうでしょうか?
僕がつけてワーワー言ってたので、説明の間退屈しのぎに漫画を読んでましたが、こっちに来て、「つける!」と興味津々です。

これ、大きさは、2種類あって、大人用と小さいSサイズ。
Sサイズを娘はつけたんですけど、全く聞こえないよう。

で、出力の大きいVというタイプがあって、ただ、今回、Sサイズがなかったので大人サイズで大きかったんですがそれを装着。

実は、このFIL TUNE、重度難聴はなかなか効果が得られないことが今のところ多いとのこと。
なので、難しいだろうなとは思ってたのですが・・・

やっぱり、ほとんど聞こえなかったようです。
「聞こえる!」とは言ってましたが、話しかけると無反応。
本人曰く、補聴器よりは小さい音とは言ってましたが、骨伝導が当たる部分によっても変わってくるので、なかなか子どもは当てどころが難しいですね。
それに、大人用だったんでですね。

bluetoothで音楽も流してみましたが、何か聞こえてるけど・・・という感じでしたね。
自分の声は聞こえてると言ってましたが、若干補聴器の時よりも大きな声だったような気もします。

ただ、中度以下の人にはいいかもしれないですね。
高度は、人によりけりかもしれません。


新しい骨伝導ヘッドホンFIL TUNE解説


さあ、では、この骨伝導ヘッドホンを解説します。

難聴には、伝音性難聴、感音性難聴、そして混合性難聴があります。
感音性難聴は、内耳に何かしらの異常があって聞こえないもので、
伝音性難聴は、外耳か中耳に何かしらの異常があって聞こえないものです。

なので、伝音性難聴は、内耳は異常がないので、外耳・中耳を通り越して、内耳に直接働きかけて音を聞くことができます。

それが、骨伝導補聴器です。

働きかけるというのが、有毛細胞に働きかけて、振動させて音を届けるわけですね。

なので、内耳に異常がある(有毛細胞が死んでしまっている)感音性難聴の場合は、骨伝導補聴器を使っても音は聞こえません。

で、
有毛細胞には、実は「外」有毛細胞と、「内」有毛細胞があります。

音を伝えるのは、「内」有毛細胞のようです。
外有毛細胞が動いてふたを開けて?内有毛細胞に音を届ける…
といったイメージのようです。

僕は医学者じゃないので、表現の仕方には不備があるかもしれませんがご了承ください。

そこで、今回試したFIL TUNEという新しい骨伝導ヘッドホンですが、詳しく言うと、
「超磁歪式エンジン搭載の骨伝導ヘッドホン」

感音性難聴に効果が実証された聴覚サポートデバイス
と言われています。

感音性難聴は子音の聞き取りが苦手です。
サ行、タ行、カ行は高音域の音です。

従来の骨伝導補聴器は、振動が骨組織や皮下脂肪で減衰してしまって、内有毛細胞に届くころには、1kHzまで減衰されるようです。

カ行は2kHz、サ行・タ行は4kHzです。
だから、なかなかサ行、タ行、カ行の音を届けるのが難しいようですが、FIL TUNEは、可聴帯域の全周波数を届けられるようです。

音量ではなく、音の質を高めて言葉を読み取れるようにという感じでしょうか?これは僕の感覚です。

ダメージを受けた外有毛細胞に対して、広帯域でかつ高精細化(高解像度化)した音を届ける事で、ダメージを受けているものの、生き残っている外有毛細胞の選択肢を増やす(ポイントで当たりやすくする)ことで
その先の内有毛細胞全体に音を届けることができる。

FIL TUNE株式会社の見解

こちらは、FIL TUNE社の見解です。

他にも説明などを読ませてもらって思うのは、
ダメージを受けているものの、反応する有毛細胞を増やして、音を脳が理解しやすくするということなのかな・・・

と、なると、そもそも音を聞いたことがない先天性では難しいのか・・・
中度・軽度なら先天性でもいけるのか・・・・
これはいろんなデータをとってわかることかもしれませんね。

さあ、でも、有毛細胞が全て死滅してしまっていたら使えないのでは?

確かにそうなんですよね。
なので、重度難聴では、なかなか効果が得られていないという結果になっているのかもしれません。
高度も半々のようです。

ただし、まだまだ試した人のデータが少ないはずなので、
先天性ならどうか?
中度以下ならOKなのか?
といったもこともまだまだ不明な点は多いようです。

そして、このヘッドホンは、周波数ごとの調整ができないんですね。
なので、周波数ごとに差が大きい人にはなかなか効果が出にくくなるかもしれません。

と、理論的には懸念事項などは多くあるんですけど、
やっぱり試してみることって大事だと思います。

難聴は百人百様。
1人ずつ違います。

なので、ピッタリハマる人もいるはずです。
そして、聞こえなくても、どんな状況の人が聞こえなかったのかをフィードバックすることで、更なる進歩につながりますよね。

なので、試せる場などを少しずつかけはし・そらいろでも作っていきたいと思っています。

こちら、充電式で、8時間使用可能。
充電は2時間

まだまだちょっと重いし、ヘッドホンタイプなので、ネックバンド式とかが出るといいなとは思いますが、まあ、技術的なこともあるのでしょう。

ご興味ありましたら、
こちら詳しいことが書かれていますのでご覧ください↓
https://www.wism-mutoh.jp/special/?id=1644899320-335156

言葉のかけはしの記事、活動に共感いただきましたら、ぜひ、サポートをお願いします! いただいたサポートは、難聴の啓発活動に使わせていただきます。 難聴の子どもたち、難聴者と企業双方の発展、そして聞こえの共生社会の実現のため、どうぞよろしくお願いします!