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1-1.いまさらきけない負の整数(マイナスの整数)の話

(脱字など訂正 2021.2.7)
マイナスを理解するには、最初がとっても大事で「こんな感じのものかなあ」となるまで時間がかかると思います。一週間で身に付けられたら、素養があったとしか思えないくらいです。血や肉にするには時間がかかるし、それでいいのです。「そんなの簡単」と気を抜いたら、マイナスにヤラレルかもしれません。もう、ヤラレタ経験があるかもしれませんね。

とは言っても、厳密な話をする訳ではありません。もしも厳密に議論しようとすると「集合、写像、群」の知識がないと苦しいと思います。それに、自然数から話を始めることになり、一朝一夕にはいかないものです。
どーしてもその仕組みが気になるなら、末尾(※1)をご覧ください。

閑話休題。マイナスの数が使われ出したのは、東洋(古代中国)ではBC200年~AC200年のようですし、西洋では16世紀頃のようです。(※2)
先人がマイナスの数を習得するまでに長い時間を要しているだから、簡単ではないことが少しは感じられると思います。
でも現代の生活を振り返ってみると、30年前よりはマイナスの数が習得がしやすいように思います。以前は、マイナスの数に出会う機会というのは、温度計かゴルフかマージャンくらいだったのですが、いまはゲーム、サッカーの得失点差、将棋のAI評価値でふだんから接していると思います。小学生の中には自然とマイナスの加減くらいはできる子がいるのではないでしょうか。

(2021.2.7加筆)
この単元は次の2つの習得を目標にしてください:
1.マイナスの概念をつかむ
2.計算ができるようになる
欲をいえば限(きり)がないので、この2つで十分です。習得し、使いこなせるようになってから、もう一度読むと、いろいろなことが書かれていることに気づくかもしれません。私としては、かなり先を意識して書いています。このブログのタイトル『数学事始め』の数学は、高校数学の次を指しています。

マイナスというのは、何らかの基準があって、数量△に対して反対の意味を持つものとしてー△(マイナス△)を考え、これに対し始めの△を+△とすることに決めたと考えていて十分です。単純に言えば、裏表の関係のことです。裏をマイナスと約束すれば表はプラスという具合です。もちろん、逆の結びつきにしても構いません。

左をマイナスにすれば右はプラス
減るをマイナスにすれば増えるはプラス
下をマイナスにすれば上はプラス
赤字をマイナスにすれば黒字はプラス
小さいをマイナスにすれば大きいはプラス
失点をマイナスにすれば得点はプラス
短いをマイナスにすれば長いはプラス
西に進むをマイナスにすれば東に進むはプラス
まだまだありそうですが、感覚はつかめたでしょうか。このとき、減る感じの場合はマイナスと約束し、増える感じの場合はプラスと約束するのが自然だと思います。

もう少し具体的に例を挙げて、話を終りにします:
気温-5℃は基準の0℃より5℃低いの意
ゴルフの-2は規定打数より2打少ないの意
得失点差3は得点の方が失点より3点多いの意
将棋のAI評価値1500点は対戦前0点より1500点有利の意
-7㎏は7㎏減ったの意
+5点は5点加算の意
-20mは南に進むをマイナス、北に進むをプラスと約束しておけば
20m南に進むの意味となります。
最後のは、南をプラスにし、北をマイナスにするのもあると思います。


次回はマイナスを含んだ足し算の話です。
拙文を最後まで読んでくれて感謝。▢

拙い動画も添えておきます。理一の数学事始め(YouTube)
https://youtu.be/H5mbr0a1lNU

※1:私の手元にある本で紹介すると
笠原 章郎 著『自然数から実数まで』ー数の概念入門ー(サイエンス社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4781901085/ref=cm_sw_r_tw_dp_ucndGbQMEYY8D?_encoding=UTF8&psc=1
もしくは
松坂 和夫 著『代数系入門』(岩波書店) ※新版もあるようです
https://www.amazon.co.jp/dp/4000056344/ref=cm_sw_r_tw_dp_OkndGbTZADDHF
があります。

※2:参考資料:
ジョン・タバク著『はじめからの数学3 数』(青土社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4791791630/ref=cm_sw_r_tw_dp_UvndGb86QSJAA

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