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3-5.いまさらきけない方程式(1次方程式の解法②練習問題)

前回のポイントは、1次方程式の主役「移項」を用いて、ax=c の形にすることでした。この後は、両辺を a で割ってお終いですね。

今回は、解法練習です。では早速問題群を提示します:
練習問題 次の1次方程式の未知数の正体を暴いてください。
① 3x=5x-8

② 12+7x=x+6

③ -8+x=4+2x+13

④ 3( 2x-6 )+4( -x+1 )=0

⑤ 9x-( 5x-2 )=4

⑥ 5( -x+3 )+2x=7-4( 2x-2 )

⑦ x-0.4=0.3x+1



それぞれの正体:
①4 ②-1 ③-25 ④7 ⑤ 1/2(または 0.5) ⑥0 ⑦2

正体の暴き方:①~③の初手は移項です。
① 3x=5x-8 ⇒ 3x-5x=-8 ⇒ -2x=-8 ⇒ x=4.(両辺をー2で割った)

② 12+7x=x+6 ⇒ 7x-x=6-12 ⇒ 6x=-6 ⇒ x=-1.(両辺を6で割った)

③ -8+x=4+2x+13 ⇒ x-2x=4+13+8 ⇒ -x=25 ⇒ x=-25.(両辺をー1で割った)


④~⑥の初手は括弧を外すのが良いと思います。④は括弧を外すしか手がないですね。ヒントのつもりで出題しました。(括弧の外し方←をクリック)

④ 3(2x-6)+4(-x+1)=0 ⇒ 6x-18-4x+4=0 ⇒ 6x-4x=18-4 ⇒ 2x=14 ⇒ x=7.

⑤ 9x-(5x-2)=4 ⇒ 9x-5x+2=4 ⇒ 9x-5x=4-2 ⇒ 4x=2 ⇒ x=1/2.
(最後は、両辺を4で割ったのですが、「2」と答えがちです)

⑥ 5(-x+3)+2x=7-4(2x-2) ⇒ -5x+15+2x=7-8x+8 ⇒ -5x+2x+8x=7+8-15
⇒ 5x=0 ⇒ x=0.(最後は、両辺を5で割っています。0÷5=0ですね)


初めての小数計算です。小数の計算ができるなら、ふつうに計算します。
⑦ x-0.4=0.3x+1 ⇒ x-0.3x=1+0.4 ⇒ (1-0.3)x=1.4 ⇒ 0.7x=1.4 ⇒ x=2.
(最後は、両辺を0.7で割りました。例えば、このように計算します:
1.4/0.7=14/7=2 です。最後の等号は約分したのですが、最初の等号の理由は分かりますか。これは分数の性質を使いました。分母分子に同じ数を掛けても等号は保たれるので、分母分子に10を掛けたのです)

別法:⑦は方程式ならではのテクニックがあって、それを使うと小数の計算をしなくて済みます。この授業でも後ほど触れます。取り敢えず説明しておくと、等式の性質③を利用します:
x-0.4=0.3x+1 ⇒ 両辺に10を掛ける ⇒ 10x-4=3x+10 ⇒10x-3x=10+4
⇒ 7x=14 ⇒ x=2.

注意:等式の性質を使って解くのはとてもいい方法なのですが、現実では酷いことが起こっています。方程式でないのに、等式の性質を使って小数や分数を消して計算してしまいます。例えば、昔の私がそうです。

もう何十年も前の話なのですが、ある学校で数学の先生が突然病休してしまい、他の科目の先生が数学の授業をしたそうです。その先生は文字式の入った分数の足し算・引き算を分母を払って指導してしまったそうです。すでに塾で習っていた生徒がいたから間違いを指摘できたようですが、そうでなかったらどうなっていたのでしょうか。▢

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