都道府県別ICカード普及率
何となく纏めてみました。
2024年3月23日現在の情報です。
またこの記事におけるICカードの対象は全国相互利用可能なSuica、Icoca、Toica、PiTaPa、kitaka、PASMO、SUGOCA、nimoca、はやかけん、manacaの10種類です。
それ以外の相互利用が不可能、もしくはsuicaなど一部カードとしか相互利用ができないICカードの導入は含めないことにします。
ですが、関東鉄道龍ヶ崎線のようなSuicaしか利用ができない路線は含めます。
普及率0~10%
徳島県 0%
徳島県は、75駅中0駅(0%)でICカードが利用可能です。つまり、徳島県内の鉄道路線ではICカードを利用することができません。
理由としては、経費の問題だと思われます。
徳島周辺がローカル線に囲まれており費用対効果が低く、またJR四国は赤字で、ICカードに対し割けるコストが恐らくないと思われるためです。
また後述の高知県のとさでん交通が独自のICカードを導入しており、それを含めたら徳島県は24年現在全国で唯一ICカードが利用できない県になります。
高知県 0%
高知県 169駅中0駅(0%)でICカードが利用可能です。つまり高知県でもICカードは利用できません。
とさでん交通では独自のICカード、「ですか」を導入していますが、相互利用ができるカードではないため含めませんでした。
また公式サイトによると費用の面で、"ですか"の相互利用化は難しく、予定が当面ないためしばらくは難しそうです。
そのため、全国共通ではないICカードを含めると、徳島県と同様に高知県もICカードが利用できない県となります。
長野県 4.5%
長野県 265駅中12駅(4.5%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは中央本線の富士見、茅野、上諏訪、下諏訪、岡谷、塩尻、松本で2014年4月1日のことです。
長野県は首都圏に近い割には信越本線の分断などの影響でICカード後進県になっている実情があります。
1桁台になってしまうのも飯田線や小海線と言った駅数の多いローカル線があるのが原因です。
長野市周辺ではKURURUを導入しており2025年のIC範囲拡大と共にSuicaに統合される予定です。
2026年にはしなの鉄道で全駅ICカードが導入される予定となっており、今後大幅な利用可能エリアの拡大が見込める県です。
青森県 7.5%
青森県 173駅中13駅(7.5%)でIC最初に導入されたのは東北新幹線二戸、八戸、七戸十和田、新青森駅で2020年3月14日のことです。
その後2023年に青森エリアが設置されましたが、依然ICカード後進県です。
普及率 10~20%
島根県 12.7%
島根県 94駅中12駅(12.7%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは松江駅で2016年12月17日のことです。三江線の廃止などで不覚にも導入率が上昇しました。
一畑電車ではICカードの利用はできません。
秋田県 13.8%
秋田県 145駅中20駅(13.8%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは秋田駅で2021年3月13日のことです。
2023年に秋田駅を中心に秋田エリアが新設されました。
岩手県 13.9%
岩手県 172駅中24駅で利用可能(13.9%)最初に導入されたのは東北本線一ノ関、平泉駅で2014年4月1日のことです。
その後2023年に盛岡エリアが設置されました。BRT区間ではICカードの利用が可能です。岩手県は北東北3県の中でも仙台に近いためICカードの導入が比較的早く、現在では秋田県とは僅差ですが一番普及率が高い県でございます。
宮崎県 15.8%
宮崎県 76駅中12駅(15.8%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは日豊本線、宮崎空港線で2015年11月14日のことです。宮崎都市圏は他のSUGOCAが導入されている博多や大分といった都市と距離がありエリアが独立して作られました。
延岡、都城方面への延伸は2024年現在未定です。
愛媛県 19.3%
愛媛県 145駅中28駅(19.3%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは伊予鉄道市内線で2024年3月16日のことです。
今までは四国では香川県以外ではICカードを利用できる路線のある県が前述の高知、徳島と共に存在しませんでした。
伊予鉄道については「い~カード」という独自のICカードを導入していましたが、今年松山市内の路面電車である市内線がICOCAを導入し0%を遂に脱出しました。
普及率 20~30%
山形県 20.9%
山形県 120駅中27駅(20.9%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは山形駅で2014年4月1日のことです。
2024年に仙台エリアの拡大とともに上山や村山、東根でも利用可能になりました。
一方沿岸部や新庄、米沢では利用できる路線がない状況にあります。
鹿児島県 26%
鹿児島県 123駅中32駅(26%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは鹿児島本線、日豊本線、指宿枕崎線の一部で2012年12月1日のことです。
鹿児島市交通局では独自のICカード、「ラピカ」を導入していますが全国共通ではないのでカウントしません。
旧鹿児島本線の肥薩おれんじ鉄道への導入は未定です。
山口県 26.3%
山口県 152駅中40駅(26.3%)でICカードが利用可能です。
最初に利用可能になったのは山陽本線岩国駅などで2007年9月1日のことです。
山陽本線沿いに利用可能区間が広がっており、2021年には山陽本線全線で利用可能になりました。
鳥取県 27.4%
鳥取県 73駅中20駅(27.4%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは伯耆大山駅で2016年12月17日のことです。
境線では山陰地方唯一の全線導入を果たしていますが、鳥取駅、倉吉駅ではいまだに利用ができません。
福島県 29.9%
福島県 187駅中56駅(29.9%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは東北本線福島駅などで2009年3月14日のことです。
原発事故の影響で常磐線が復旧した際に浪江駅以南が東京近郊エリアに組み込まれたと同時にSuicaの利用可能エリアにもなったことで東北地方の県では一倍Suicaの導入が広がっている県です。
また唯一仙台と東京近郊の複数エリアに跨っている県でもあります。
(北陸新幹線上越妙高駅もカウントすれば新潟県も)
普及率 30~40%
富山県 31.7%
富山県 186駅中59駅(31.7%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは旧北陸本線のあいの風とやま鉄道で2015年3月26日のことです。
今後は高岡市の万葉鉄道や氷見城端線でも導入が検討されています。
新潟県 33.1%
新潟県 199駅中66駅(33.1%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは信越、白新、弥彦、越後線などで2006年1月21日のことです。
新潟エリアは仙台エリアの次に導入されたSuicaのエリアになります。
Suicaの新潟エリアによって新潟市周辺はsuicaが広く利用できますが、中越、上越地方では第三セクターや新潟、首都圏との緩衝地帯に当たるため導入されていないのが現状です。
岐阜県 34%
岐阜県 185駅中63駅(34%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは東海道本線で2006年11月25日のことです。
岐阜県は美濃地方に鉄道路線が集中しており、飛騨地方でICカードを利用できる鉄道路線はありません。(そもそも高山本線しかない)
また岐阜県内でも駅の数が多い長良川鉄道といったローカル線がICカードを導入していないのも普及率に響いています。
福井県 35.1%
福井県 128駅中45駅(35.1%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは北陸本線で2018年9月15日のことです。
近日中にえちぜん鉄道がICOCAを導入するため福井県内での普及率は一倍上がると見込まれています。
九頭竜線や小浜線は導入される見込みがありません。
北海道 35.3%
北海道 407駅中144駅で利用可能(35.3%)最初に導入されたのは札沼線の北海道医療大学以南、函館本線の小樽岩見沢、千歳線とその支線、室蘭本線の苫小牧で2008年10月25日です。
北海道は毎年数駅~数十駅を廃止しており、全体の駅数の減少と共に徐々に普及率が上がっている状況です。
また鉄道の廃線などで、紋別、日高、留萌、江差といったそもそも鉄道が存在しない町が生まれています。
美々駅は2017年3月にJRのSuica導入駅としては初めてのICカード利用駅として廃止されました。
2024年にkitakaエリアが拡大し函館、旭川、深川等の都市でも利用ができるようになりました。
普及率 40~50%
静岡県 40.7%
静岡県 228駅中93駅(40.7%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは2008年3月1日で、名古屋地区の延長として二川から函南までが利用できるようになりました。
この数値は一見低いように見えますが、遠州鉄道や岳南鉄道、大井川鉄道など、静岡県内には小規模の私鉄が多数存在しています。
これらの私鉄がそれぞれ独自のICカード(Lulucaなど)を導入しているため、利用範囲の割には普及率が低い理由になります。
大分県 45.7%
大分県 81駅中37駅(45.7%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは2009年3月1日で、中津駅がその初期導入駅となりました。
福岡に近いため、日豊本線沿線ではICカードの普及が進んでいますが、竹田や大野、日田といった内陸部では依然として普及率が低い状況です。
佐賀県 48.1%
佐賀県 79駅中38駅(48.1%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは長崎本線で2009年3月1日のことです。
2025年には佐世保方面にICカードの利用が可能になります。
群馬県 48.5%
群馬県 134駅中65駅(48.5%)でICカードが利用可能です。
JR線や東武鉄道ではほぼ全線で利用可能ですが、上信電鉄や吾妻線の殆どの駅、上毛電鉄が使えない状況にあります。
普及率 50~60%
石川県 52%
石川県 73駅中38駅(52%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは旧北陸本線のIRいしかわ鉄道で2017年4月15日のことです。
のと鉄道や北陸鉄道では導入されていません。
熊本県 54.5%
熊本県 156駅中85駅(54.5%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは鹿児島本線で2009年3月1日のことです。
内陸部の地域では普及していません。また肥薩おれんじ鉄道でも利用はできません。
2024年5月に熊本電鉄など県下バス会社はICカードからの撤退を24年度内に行うことを表明しました。
もし行われた場合駅の廃止以外でICカードの利用区間が減少するのは初の事例となります。
岡山県 54.6%
岡山県 163駅中89駅(54.6%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは山陽本線で2007年9月1日のことです。
2024年夏には津山駅での導入が検討されています。
山梨県 58.9%
山梨県 73駅中43駅(58.9%)でICカードが利用可能です。
中央本線大月以東がSuicaの初期導入エリアになります。
山梨県は鉄道駅が少なく、そのため身延線と、小海線の甲斐小泉、甲斐大泉駅を除いてICカードが利用できます。
また2025年には身延線甲府から鰍澤口までがTOICAエリアに追加されるためさらに割合が増える予想です。
普及率 60~70%
茨城県 63.8%
茨城県 130駅中83駅(63.8%)でICカードが利用可能です。
第三セクターなどではまだ使えませんがJRでは一通り使えるようになりました。
また関東鉄道龍ヶ崎線ではSuicaとPASUMO以外のICカードは利用できません。
千葉県 66.6%
千葉県 335駅中275駅(66.6%)でICカードが利用可能です。
京葉線や成田線などがSuicaの初期導入エリアになります。
千葉県は房総半島のローカル線や流山鉄道や銚子電鉄といった小規模な私鉄が多いため首都圏では唯一100%ではありません。
久留里線の廃線で上がる可能性はありますが各会社の規模的にもICカードの導入は遅くなり、しばらくは100%になる可能性はないでしょう。
宮城県 69.9%
宮城県 153駅中107駅(69.9%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは宮城県内の多くの路線で2003年10月26日のことです。
Suicaでは東京近郊エリア以外初の新設されたエリアです。
仙台市地下鉄が導入しているisscaはsuicaとの相互利用が可能ですがそれ以外のICカードの利用は不可能ですがここでは含めることにしました。
普及率 70~80%
長崎県 70%
長崎県 137駅中96駅(70%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは長崎本線で2012年12月1日のことです。
第三セクターの松浦鉄道は愛知環状鉄道などと共に赤字線由来の路線では数少ないICカード導入路線です。
2025年には佐世保、大村方面への範囲の拡張が予定されています。
滋賀県 70.7%
滋賀県 116駅中82駅(70.7%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは東海道線などで2003年11月1日のことです。
近江鉄道ではICカードが利用できないため滋賀県は近畿圏の中では比較的普及率が低いです。
香川県 72.2%
香川県 101駅中73駅(72.2%)でICカードの利用可能です。
最初に導入されたのは高松駅なおで2012年3月17日のことです。
香川県は他の四国の各県と比較するとICカードが普及しています。
JR四国独自のICカードは発行されておらず、これはJRグループ唯一のことです。(貨物除く)
三重県 72.8%
三重県 228駅中166駅(72.8%)でICカードが利用可能です。
亀山駅以南のJR線ではICカードが使えませんがその代わり並行する近鉄では使えます。
広島県 78.8%
広島県 238駅中189駅(79.4%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは山陽本線で2007年9月1日のことです。
2024年4月を持って廃線になるスカイレールは日本で初めてICカードを導入した路線です。
栃木県 79.9%
栃木県 134駅中107駅(79.9%)でICカードが利用可能です。
宇都宮以南のJR線はSuicaが最初に導入された区間になります。
第三セクターを除いて全路線で導入されています。
普及率 80~90%
福岡県 82%
福岡県 340駅中279駅(82%)でICカードが利用可能です。
鹿児島本線などは最初にSUGOCAが導入された区間です。
内陸部などではまだ普及していません。
京都府 82.1%
京都府 241駅中198駅(82.1%)でICカードが利用可能です。
京都線は最初にICOCAが導入された区間であります。
旧山城国にある路線では全線導入が達成されていますが、丹後ではまだ主要駅以外では導入が進んでいない状況にあります。
和歌山県 85.8%
和歌山県は、120駅中103駅(85.8%)でICカードが利用可能です。
最初に導入されたのは阪和線の一部で最初にICOCAが導入された区間であります。
和歌山県では鉄道路線が比較的少ないことや、JR西日本の紀勢本線の全区間でICカードが利用可能になり、普及率が近畿圏でも高いことが特徴です。
兵庫県 89.2%
兵庫県 361駅中322駅(89.2%)でICカードが利用可能です。
神戸線などのJR線は最初にICOCAが導入された区間になります。
山陰地方や内陸部を除いてICカードが普及しています。
普及率 90~99%
愛知県 94.4%
愛知県 479駅中452駅(94.4%)でICカードが利用可能です。
東海道線は最初にTOICAが導入された区間になります。
廃線の俎上にある名鉄蒲郡線では一部の駅を除いて利用ができません。
飯田線では豊川から本長篠までの区間の拡張が2025年に行われる予定です。
普及率 100%
ICカードが都・府・県内の全鉄道路線で利用可能な都府県は以下の6つです。
埼玉県
八高線の一部駅を除くJR線はSuicaの初期導入エリア。
最後に導入されたのは秩父鉄道で2022年3月12日のことです。
東京都
都内の全JR線がSuicaの初期導入エリア。
最後に導入されたのは都電荒川線や埼玉高速鉄道、多摩モノレールなどの路線で2007年3月18日。
全国で最も早く全線利用可能を達成した。
神奈川県
鶴見線や厚木駅を除くJR線はSuicaの初期導入エリア。
最後に導入されたのは国府津のTOICAエリアで2021年3月13日のことです。
大阪府
府内の全てのJR線がICOCAの初期導入エリア。
最後に導入されたのは水間鉄道で2009年6月1日のことです。
阪堺電車の住吉公園駅はICカードが利用可能な駅では初めて廃止された駅となります。(2016年1月のこと)
奈良県
県内のJR線の殆どがICOCAの初期導入エリア。
最後に導入されたのは和歌山線で2020年3月14日のことです。
沖縄県
最初に導入されたとともに最後に導入されたのはゆいレールで2020年3月10日のことです。
しかし2014年に独自のICカード、OKICAが導入されていました。(相互利用できないため含めなかった。)
現時点で普及率100%の都道府県は6つあります。
しかし今後増えることはしばらくないと思われます。
その理由としては愛知県や千葉県などではローカル線があり、ICカードの導入以前に存廃問題があること、また人口の減少などで費用対効果がなくなる路線もあるためそういった問題を解決しない限りは、7つめの100%達成県は現れないでしょう。
2024年4月16日 追記
2024年5月27日 スカイレールの廃止、しなの鉄道のSuica導入、熊本電鉄のICカード廃止について追記