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到底愛すことはできないのですが


最初に断っておくのだけど、このnoteに明るい部分はひとつもないし、
誰かを傷つけてしまう可能性さえ持っていると思う

心が健康な時に、読んでください
(あ、べつに読む必要もないのですが〜!)



わたしはBTSを好きになった
その入り口は1年半前の初夏
StayGoldだった

ストンと沼落ち

沼というにはキラキラのそこは溺れているのに息がしやすい


彼らの伝えるメッセージの真ん中
「Love myself」

BTSを好きな人なら一度はこの言葉に、
心臓がうごいた経験があると思う


BTSを好きになる前に、この言葉を知っていなくて、本当に良かった

と思う



多分わたしは、この言葉を先に知ってしまっていたら、
彼らのことを斜め上からみて、好きになることはなかったと思う


わたしは「自分を好きになりましょう」系の言葉が
正直、苦手だ



今なら分かる、BTSの伝えるLove myselfは
「自分を好きになってください」とは似て非なるものだ

「自分を愛してください」
この方がしっくりくるな、と思って、
わたしは、like と love の違いをなんとなく説明できるようになった


わたしは小さい頃からジェンガが苦手だった

4人でやるジェンガも、
3回目に自分の番が回ってきた時には
8割の確率で崩してしまう

どこを触ったら崩れるのか
どれくらいの力加減で押したらいいのか
どう乗せたらいいのか

まるで見当がつかない


わたしの脳内には、ジェンガがある
わたしという人間の形をアップデートする
積み上げていく
「ラブマイセルフ」のジェンガ

わたしはわたしという人間でしかないから、
わたしは自分の中から
抜いては積み上げて抜いては積み上げて、
変化して、高くなるしかなかった

高くなればなるほど足元はグラグラで、心もとない

穴の空いた場所に冷たい空気が通ることだってあるし、自分以外の人に、軽率に触られでもしたら大事故だ

ジェンガが苦手だ
すぐに間違えてしまう

自分の外見が嫌いで嫌いで仕方ない、
そんな時期が長く続いた

すっぴんで、徒歩5分のコンビニに行けなかったし
メイクが上手くいかない日は、もう死んでやろうかと思うくらい腹が立って、何回もメイクを落としてどんどん厚化粧した
そんなことをしてたら、肌が馬鹿みたいに弱くなって
ニキビも乾燥も治らなくなって余計死にたくなった

試着室で、着たい服が似合わなくて、ひとしきり泣いて1時間半篭ったことがある

試着室から出てきたわたしを見た店員さんが、
泣き腫らしてメイクが落ちきった私の顔をみて
ギョッとしていたこと、今でも忘れられないし
あの時はまじでごめん

わたしは小さい頃から右顔面に黒子が多くて、
小学生の頃、その黒子の数を数えてきた男子と
大喧嘩したことがある
その頃、黒子は数えたら増える説、がわたしの中に植え付けられていたから、心底嫌だった
(実際、マジで増えたから許していない)


痩せていたことがない
もともと太りやすくて、体重のコントロールが難しかったらしいが
小学生まで私は人より少し肉感がある
ということに気付いていなかった

そしたら、あれよあれよと太った
中学生の頃はジャージ登校が許されていたからまだ良かった

高校生になって毎日毎日スカートを履かなきゃいけなくなった
纏わりついた肉の全てを剥ぎ取ってやろうかとも思った

"自分の被害妄想かもしれん"という一縷の望みに賭けて、こんなことを聞いた

「ねえ、わたしって、一般的にみて太ってる方?贔屓目なしにして!世間的に!」

大糞馬鹿野郎だ

帰ってきた言葉は「ぽっちゃりよりの普通」

恥ずかしい、恥ずかしい、、、、、
質問に答えてくれた彼女は何も悪くない
むしろ正当な評価をしてくれて、ありがとう
だけどその夜は、本当に、恥ずかしくて苦しかった


"歳をとるごとに気にならなくなる"
この言葉の意味は人それぞれだけど、
わたしはまだそのときが来ていない

この顔を一生抱えながら生きていかなきゃいけないことに絶望したり、諦めたり、
諦めたはずなのに、
鏡の前で涙が出ることなんて日常茶飯事だ

ただ、自分のすきな服とか、メイクの仕方とか、自分のお金を自分に投資できるようになったりとか、
そういうことで、自分を自分で慰めたりはできるようになった

ダイエットをした
好きだったらーめんは、嘘じゃなくここ8ヶ月間食べていないし
好きだったパンは、一個丸ごと食べることが怖くなって半分ずつしか食べられなくなった
家の炊飯器の登場回数は年に4回になった
常に豆腐と納豆が滞在する冷蔵庫は、キンキンに冷えた

ここ最近、人生で初めて太ももの間から光がもれるという経験をした。
痩せたやん!!!と思って機嫌よく外出した時、
ショートパンツ履いたかっこいい女の人をみて、
しにたくなった

まつ毛パーマを始めた
そしたら元々一重だった目が二重になった
これは本当によかった

ほくろをとった
美容整形外科の綺麗な顔したお姉さんにほくろの相談をするのは、正直吐き気がした

一度に3つとったあと、
「こちら次回使える割引券です。また取りたくなるでしょうから、1ヶ月空けてきてくださいね」

キラッキラの笑顔で言われた時、2度ときてやるもんかと小さく泣いた
なのに、わたしは別の美容整形外科で、またほくろをとったりした

取った後、幾分マシになった気がしたけど
1年経っても跡は完全には消えないし
思うより可愛くもならなかった。

整形沼にはまらなかったのは、
わたしに運良く金銭的余裕がなかったからだ
お金がなくてよかった

色んな化粧品を試したし
皮膚科には月一で通うようになった

毎月毎月16000円かけて、髪の毛を2cmだけ切って黒色の髪の毛を黒色に染めた

自分に必死だった

ただ、これをラブマイセルフなどと表現するにはあまりにも醜かった


ジミンさんが好きです。
好きで好きで泣いちゃうほど好きです。

わたしの想像の中の私は、それはそれは可愛くて、
ジミンさんの隣が似合うような、
誰だか分からない私に顔が変わっている

散々ジミンさんが好きだと言った夜
朝起きて絶望して恥ずかしくなることがある

あんなポエミーな激重リアコツイートをしている中身の人間が
別に可愛くないことを知られてしまうと
その言葉の価値が落ちてしまうような気がするんだ
(そもそもジミンさん以外への価値などないのに)


外見はどう考えたってわたしの本質とは別なのに、
人生の相対的な幸せはこの外見に左右されてしまいがちだ

知っているけど。
それは自分が勝手に作り上げたものだと知っているけど
これから根本的に逃れる方法をまだ知らない


「Love myself」は心得だ。
思い込むこと、鍛錬が必要なので、
わたしはその訓練の途中だ
留年し続けて、卒業できる日は遠い

多分わたしはまだ、現状のわたしをわたしだと認めたくないのだと思う
わたしはわたしでしかないし、この器で25年間生きてきたはずなのに、
まだこれは嫌だと駄々をこねている最中なのだ

可哀想だ、わたしの器、
私にすら認めてもらえなくて可哀想だね
ごめんね


早く、好きになってやりたい
それがどう考えても自分の幸せの最善策だと知っているし。

今でも、鏡を見た瞬間に、
積み上げてきたラブマイセルフのジェンガが全て崩れ去る時が数えきれないほどある

自分から抜いて積み上げることしかできないジェンガは、
そもそも限界値以上に高くなることはないことを知った

だから、何でもかんでも「ラブマイセルフですね」と言われるのは好きじゃない

ここまで読んでお分かりいただけただろうが、
わたしは超絶扱いにくいやつなのだ

こんなわたしを真っ向からラブマイセルフしてしまったら
私は死ぬほど嫌われていたと思う、
卑屈でめんどくさくて自分のことしか考えてない人間なのだ

自己肯定感をあげましょう!とかいう言葉はクソだ
自分を好きになる方法を教えてはくれないくせに、
自己肯定感が低い人間は可哀想な人だと思わせる

わたしにとっての自己肯定の根本は、
自分を好きになることではない
自分を自分で納得させることだ
自分の好きなところ、嫌いなところ、得意なこと、苦手なこと、
今はこれが現状であると納得させることだ


ただ、何かを好きだと思うだけで、人は幸せになれることも知っている
別に自分のことを好きになれなくても
鏡を見ることもジェンガを積み上げることもやめて、
何かを好きだと想う気持ちで幸せになれちゃうことも
知っている

好きのベクトルの向く先が、自分じゃなくても
そこそこ幸せになれるから
別にいいと思う

「自分自身を愛するために、僕らを利用してください」

世界一好きな言葉だ

ジミンさんが、バンタンが好きだと想うと
自分が何者であれ、どんな姿形をしていようと、
幸せになれてしまう

「バンタンを好きなおかげで、自分のことも好きになれました」

なんてことはない

自分のことは好きではないし、愛せてもいない

だけど、ジミンさんを見ていると、
バンタンのステージを見ていると、

わたしはわたしの器がどんな形をしていたか忘れて、
幸せになれてしまう


だけど、わたしは、やっぱり自分の器を、
自分だと受け入れてあげなきゃいけない

ジミンさんが好きだと1万回言っても、
わたしの顔が可愛くなることなんてない

ジミンさんがどれだけ好きでも、
わたしはわたしで生きていかなきゃいけないし
ジミンさんが好きだからと言って
わたしの人生を背負ってもらうことはできないし

ジミンさんのことが大好きで大切で仕方なくても
わたしの人生の責任はわたしにしかないから。

人はたくさんの人に囲まれながらいつだって個人で孤独だ

Love myselfは、一人で立って生きていくための術なのだと思う

彼ら7人の隣をわたしが歩けない代わりに
彼ら7人は一人でも歩けるようにと魔法の言葉をくれた


このどうしようもなく可哀想なわたしの器に
差してあげる花を買いに行く

たまにはBTSに触れない日を作る

たまには本を読む

自分の内側の世界が「好き」のせいで狭くなってしまわないように、
あえて好きな人から距離を取ることも必要なのです

寂しいけど、
たまにはひとりぼっちにならなきゃいけない


ただ、
到底まだまだ愛することはできないので

どうしようもなく息ができない夜は、
好きなものだけを見つめて、

自分がどんな人間かなんて忘れてしまいたい

手を貸して欲しい

そんな夜があってもいいと思う



あ〜!!あったかい風呂に入ろうっと〜!!



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