彩瀬まる連作短編集
本の概要
「この世から逃げたくて仕方がない
それと同じくらい、この世に触れたくて仕方がない」(本文より)
駆け落ち、逃亡、雲隠れ
行き詰まった人々が、ひととき住み着く「家」を巡る連作短編集
家族を捨てて逃げてきた不倫カップル――「はねつき」
逃亡中のヒットマンと、事情を知らない元同級生――「ゆすらうめ」
新興宗教の元教祖だった老齢の婦人――「ひかり」
親の決めた結婚から逃げてきた女とその妹――「ままごと」
子育てに戸惑い、仕事を言い訳に家から逃げた男――「かざあな」
■『さいはての家』の刊行に寄せて
著者メッセージ■
それから町で彼(もしくは彼女)の姿を見た者はいない――
こんな一文を最後にいなくなる脇役の人いますよね
登場人物が多いドラマティックな長編の中盤なんらかの騒動の後にほんのり
印象的なセリフを残して物語から
退場する、あの人たちです
子供の頃から彼らが物語から退場する
たび「どこに行ったんだろう」と気に
なっていました
居づらくなって罪を犯して、もしくは
なにかに反発して、それまで所属して
いた場所を捨て他の土地へ向かう人たち物語の作者が退場していく彼らでは
なく、その場に残る他の誰かを主人公に据えているということは、きっと彼らのその後は大してドラマチックでも面白いわけでもないのだろう……と自分を納得
させていた時期もあったのですが
本当だろうか
ここではない場所へ向かった彼らは
もしかしたらとても個人的な冒険を
経て他の誰も見たことがない静かで
自由な場所に辿り着いたのかもしれないそんな予感から五つの物語が生まれ
ました
それぞれのさいはてを、見届けて
ください
※感想
何かから逃げてきた人が辿り着く古い
借家
その家を舞台にした5つの短編集
🏠はねつき
家族を捨てきれない不倫男とスナックの女
🏠ゆすらうめ
ヤクザの世界で人を殺した男の逃亡を
手助けしてしまう介護施設に認知の母を預けている同級生のタクシー運転手
🏠ひかり
死んでしまった少女を山に埋め指名手配された教祖の女
🏠ままごと
良家に生まれた両親から逃げる姉と執着彼氏から逃げる妹
🏠かざあな
単身赴任になったことで妻子から自由になりたい気持ちに気付いてしまった男
綾瀬さんの本はホラーのような黒いモノやら蛇やら腕やら出てきてゾワッとする🐍💪🏾\=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/
唯一の救いは不動産屋さんと大家さんがいい人ε-(´ω`;)ホッ
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