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本の重さを知った2021年

不安に押し潰されて心がぐらぐらとしていた昨年、何もしていないのに涙が出てきたり、寝る時に鼓動が尋常ではない速さになったりしていた時期に比べれば、今年はいくぶんましな1年だった。

今年は、大学の新学期になったと思ったら夏休みが終わっていて、冬が来るなぁと思ったら大晦日になっていて、自分が社会の潮流に置き去りにされているような感覚が常にあった。
季節に見合った楽しいこと、を何もしていないこらかもしれない。

メンタルクリニックに通っていた昨年、無機質な先生の相槌と、取り繕った看護師さんの優しさがひどく合わなかった自分は、病院に行くことを辞めてしまった。これで病院は最後にしようと決めた帰りの電車で、どこかのホームで飛び降り自殺をしようとしている人に思いを馳せつつ、生きながらえている自分がなんだか不思議だったのを覚えている。

今年はメンタルクリニックにお世話になることもなく、アニメや映画をとことん見て、心を自分以外の要素で埋めるという初歩的な解決方法で乗り切っていたが、一番効いたのは大学の勉強に精を出したことだった。

学ぼうとする姿勢があれば快く受け入れて貰える学問に自分の居場所をつくることは、自分にとってかなりいい方法だった。何より自分は自分が思っているよりかなり単純だったから、教授にメールで質問する、図書館で関連書籍を借りる、そんな大したことないアクションで学んでいる気になれていて、大分コスパが良かった。

学問へ昇華すると言えば聞こえはいいが、学生の本分である以上、自慢できることではないのは承知の上だが、憂鬱に悩まされていた昨年に比べれば自分にとって大きな一歩だった。

客観的に見れば、どうしようもない人間が少しだけどうにかなりそうな人間になれただけの1年であったが、前に進めたと言えそうな気がする。
ことし生まれた赤ちゃんは2021年生まれで、来年生まれる赤ちゃんは2022年生まれだ、なんて考えたら怖くなるのでこの辺で終わりにしようと思う。あんまり2022という数字を見たくないので

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