細胞融合技術の歴史

もはや、話題にするのも憚れるぐらい大変なことになっている例のものですが、その技術の発見というのは、大阪大学の研究者の岡田義雄先生という方が成し遂げた技術だということを、最近Youtubeにアップされているある研究者の先生の動画で知りました。

学生の時に、実は細胞融合の実験をして卒論を書きましたが、実験で忙しすぎて、もはやその背景や成り立ちなど、すっとばしてきたもので(しかし、どの分野でもその歴史や経緯について知る人は意外と少なく、有用と思われる技術だけが切り出して使われているというのが、世間の常ではないかという気がいたします。でも、あまりよくないですね。)、あぁ、そういうことだったのかと、驚いているところです。

細胞融合技術は、ウィルスを使った手法・電気を使った手法、そして今回の例のもので使われているPEGを使った手法、が一般的な生物系の雑誌などには掲載されています。

岡田先生が、細胞が受精以外で融合するという現象を発見したのは、ウィルスを使ったもので、その十何年後かにPEGを使った手法が開発されたそうです。

まだ全部は読み切れていませんが、ご興味ある方は一度読まれることをお勧めいたします!

注目すべきは、本の最後のほうの章にある、「生命科学と生命倫理」の部分ではないでしょうか。(細胞融合技術の技術的な部分も、例のものの議論の話題にすら上がらないので、ここも注目すべきではないかと思いますが。)岡田先生は、いくらすごそうな技術でも、人間が常識で理解できないような、ややこしい方法論は好ましくないと書かれています。

大日経(だったと思います)にも、議論を巻き起こすようなややこしい方法は、方法としては下のほうだと書かれてますよね。技術というのは、その意味づけができてこそ、やっと有用になるのではないだろうかと、改めて思った次第です。

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