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たけうちこうた
2020年11月5日 20:34
とある日曜日。 安芸月依子は、前羽根市内にある遊園地にいた。 依子の住んでいる藍染市には遊園地らしい遊園地がなかったので、わざわざ電車で隣りの前羽根市までやって来たのだ。 なぜ、自分はここにいるのだろう? と彼女は不思議に思う。 遊園地に来ることなんて、彼女の兄がまだ生きていた頃以来だった。「ねえ。私ね、遊園地に行きたいな」 恋人にそうねだったのは、確かに依子自身だったはずだ。 別