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ミライへの伝言

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舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』に関するnoteです。
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舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』その1 序章

D.C.シリーズ20周年および、『D.C.III~ダ・カーポIII~』10周年を記念して企画された舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~』シリーズの第二弾、舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』が上野の飛行船シアターにて上演されて半年が経過した。 つい先日、舞台D.C.IIIと同じく市村啓二さんが演出する劇団飛行船さんの『ひろがるスカイ! プリキュア ドリームステージ♪』の静岡公演を観に、菊川文化会館アエルまで家族で行ってきたばかりで、久々の市村演出を観

舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』その2 プロットの章

前作の述懐記事では、導入編の後はプリプロダクション的な話を書いた気もするが、今作は二作目。すでにどんな座組みなのかも、どんな小屋なのか、規模感などもわかっている状態からのスタート、ということで、いきなりプロットの話に進もうと思う。 正式に舞台D.C.IIIの新作の依頼が来て、最初のネット打ち合わせを経て、まずはプロットを書くことになったわけだが、実を言えば、前作同様、そんなに難航しなかった。 第二作目、ということで初見の人ももちろん来るだろうが、前作公演と配信、上映会など

舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』その3 キャスティングの章

『ミライへの伝言』のプロットを段階的に書きあげた、という話を前回はさせてもらった。プロットを書いたのだから、次は脚本執筆の話になるだろう……と思うかもしれないが、今回はキャスティングの章、とさせてもらうことにした。 とはいっても、D.C.IIIの原作者はあくまでCIRCUSさんだし、劇団飛行船の制作さんや演出の市村啓二さんのようにオーディションに絡むわけでもない。演者さんに関して、僕は大して口出ししていない。 新キャストに関しては「こんな方が候補に挙がってます」という情報を

舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』その4 脚本執筆&COVID-19の章

却説、コンセプト⇒超大まかなあらすじ⇒大まかなあらすじ⇒細かなプロットを提出し、板の上に立たせても大丈夫な役者の人数も確定した、ということで、いよいよ脚本に取り掛かることになった。 前作は、120分を想定し初稿を120KB程で書き上げたのだが、いろいろリクエストを受けた結果、稽古に入る最終稿の段階で150KB近い内容になってしまった。 今作では、ヒロイン紹介や日替わりネタのアイデアもあらかじめ織り込み済みなので、そういった部分で膨れ上がることはないとは思うが、前作ほど冗長に

舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』その5 前作ゲーム化&台風襲来の章

ちょっと間があいてしまった(失敬)。 前回は、COVID-19という障害を乗り越えて脚本の初稿を書き上げた、という話をした(そんな話だったか?)。 脚本を書き上げる上で留意したのは、あくまで舞台D.C.IIIの主演は新田恵海さんであり、主役はリッカ・グリーンウッドである、ということ。 物語的には葛木家の抱える500年の呪縛をテーマにしているので、葛木姫乃ルートがベースになっているが、このお芝居は厳密にいえば「姫乃ルートの舞台化」ではなく、『D.C.III~ダ・カーポIII~

舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』その6 改稿&名神上映会の章

前回は、完成した脚本を改稿しなきゃいけないけど、新コンシューマ版のための前作ゲームシナリオ化とドラマCD脚本書下ろし、そして記録的な台風による浸水被害が襲い掛かってきた、という話だった。頑張れ、僕! というわけで、今回はようやく上演台本に向けての改稿の話を書くことにする。 前作『君と旅する時の魔法』では、第四稿改が稽古初稿になった。 今作は、前回で「舞台用の脚本を書くにあたってのノウハウ」もあったので、劇団サイドから要求されるであろうこと、演出の市村啓二さんから要求される

舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』その7 凍結&通し稽古の章

1月末に脚本の第五稿が完成し、打ち合わせの後、それをちょっとだけ手直して稽古初稿(第五稿改)を提出したのが2月頭。 この2月頭にとんでもない事態が発生してしまう。 それがTwitterアカウントの大量誤凍結事件だ。 2月3日になったばかりの0時35分過ぎ、突然、Twitterのアカウントが凍結されてしまったのだ。直前まで、舞台『ウマ娘プリティーダービーTHE STAGE Sprinters' Story』の配信を観て、感想を述べたり出演者のツイートを何件もRTしたりしていた

舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』その8 公演初日の章

2024年が始まりました。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 今年は年頭から大変な災害や事故などがありましたが、皆様が平穏に過ごされることを願っております。 僕もやれることを地道に頑張る、を抱負に頑張っていきたいと思います。 却説。時系列は前回の続き、昨年の春に戻ります。 ──そして、運命の公演初日がやってきた。 やってきてしまった。 前回、稽古場まで赴き通し稽古を観させてもらった話までをしたが、ここで神戸・名古屋の上映会から、ミライへの伝言までのD.C.シリーズのイベ

舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』その9 父親業務の章

前回、ついに舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』の初日の幕が上がった、という話をした。 幕が上がってしまえば脚本家の出る幕はもう無い。 毎公演観に行ける身分(あるいはお仕事として拘束されているとか)なら話は別だが、遠隔地故に静岡に帰らねばならない。だから、あとは無事に千秋楽まで公演が走り切ってくれることを願うだけ。 ……なんだけど、実はもうひとミッションあった。 それは、うちの子供たちが舞台D.C.IIIを観に行きたがっている、ということだ。 だから

舞台『D.C.III~ダ・カーポIII~ミライへの伝言』その10 千秋楽および配信の章(最終回)

そして4月24日、千秋楽の日がやって来た。 僕は静岡に帰ってきていたので、大千秋楽の公演は仕事場でリアルタイム配信を観させてもらった。 ミクチャさんがネットで配信してくれたのは、日曜日のマチソワと千秋楽の全3ステージのみ。 どれもCOVID-19のせいでキャストが減った状態での演出変更バージョンのみ。劇場の方で定点撮影の映像資料は残しているかも知れないが、配信用に撮った映像は残念なことにそれだけだ。 前回書いたようにCOVID-19の辛さも、どんなに気を付けていても避けよう