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行き過ぎたサバゲガチ勢だった僕の懺悔2

前回までのまとめ

2007年にサバゲチームを作り、2014年までに様々な場所で活動し、チームの仲間やチームの仲間ではなくとも一緒に遊んでくれる友人達と楽しくゲームをしていました。

最初の"ただゲームを楽しむ"から"連携して様々な状況に対応する"事を主たる目的に変え、戦術を取り入れ始めました。
2014年頃から僕自身がサバゲに普通の飽き始め、敵の戦意を挫く事に目的がシフトしていきました。
2015年、2016年にイベントのシナリオをめちゃくちゃにして、見ず知らずのサバゲチームを騙し討ちした事で仲間が離れていきました。

離れる時は静かだった

サバゲチームAをルアナスタイルで幾度もボコボコにした結果、Aは14時頃帰りました。

その後も自分達だけでゲームを終日楽しみ、撤収をしていたその時、何も伝えていなかった仲間がふと
「Aは何で帰ったのか?」という質問を僕にした事から、初めてメンバーに
◯ 最初から騙し討ちだった事(当時は情報戦にも勝ったと言っていた。)
◯ 女の子ばかりのサバゲチームだと名乗っていた事
◯ 初めからボコボコにするつもりで狙っていた事
を種明かししました。

そして帰りの食事会でも、AのYouTubeチャンネルにあった、"次は女性ばかりのサバゲチームと交流する"と盛り上がる予告の動画を見て、改めてこの日の勝利に大満足していました。
しかしこの時、既に仲間達は引いていたのです。
特にチームの仲間ではない友人達は完全に引いていました。

僕はその日のゲームの撤収中や食事会後に
「ポンコツ戦車君、騙し討ちはやめようよ」
「気持ちは分かるけどそれはない」
「遂にやりやがった」
「やるなら普通に呼び出してやればよかったじゃないか」
と言った仲間達や友人の真意を僕は理解していませんでした。

作戦も、情報戦も、全てにおいて大勝利ではないか
こんなAみたいな奴等は騙し討ちされても仕方ない
僕達は正義だ
そう、真剣に思っていました。

この時期を境に急に人の集まりが悪くなりました。
次第に仲間にメールしても返ってこなくなり、連絡も無くなりました。

仲間達が離れる時は喧嘩する訳でもなく、ただ静かに付き合いが無くなる。
それが自分が言い出しっぺで作ったチームとそのコミュニティの終焉でした。
今思えば皆は大人の対応です。
(実はこの時期、自分抜きで集まりゲームに参加していた事を知っていた。)

最後にメンバーと交わしたメールには
「真摯にサバゲを楽しんでるポンコツ戦車君は何処に行ったのだろう」とありました。
しかし僕はこの時期に至っても分かっていませんでした。
むしろ「何言ってんだ、全力で楽しんでるじゃないか、むしろまだまだ敵は沢山いるのに、何を日和っているんだ」とすら思っていました。
(この頃までは同じ趣旨の仲間をまた集めるつもりだった。)

その直後、僕は他地方に転勤する事になり、関東を離れました。

関東を離れて気付いた事

転勤で今までの人間関係とは離れて、1人でサバイバルゲームに行くと普通に楽しい事に僕は気付きました。
見ず知らずの人と楽しくゲームを行い、見ず知らずの人と知り合い、いつの間にか仲間になり、新たな人間関係を構築した時、何故今まで熱病のように敵を探していたのか分からなくなりました。

ここで僕は初めて、サバイバルゲームの世界に本当の”敵”はいない事を理解したのです。

ぱっと見て気に入らないサバイバルゲームの愛好者がいようとも、それは自分達と違うスタイルとアプローチで趣味の世界を楽しんでいる他人です。
仮に自分達が有名になりたいとか、私利私欲でサバイバルゲームを利用している人達がいたとしても、それは自分に害を及ぼすものでなければ、敵でも味方でも無い、ただの関係の無い他人なのです。
わざわざ攻撃する必要はないのです。

ここでやっと前に仲間達が言っていた言葉の意味が分かりました。
仲間達は僕のような熱病に羅感していませんでした。

描いていたエンドステート

仮に仲間達が離れる事なくコミュニティを維持し、他のチームの戦意をへし折り、イベントを蹂躙し続けた先で何がしたかったのかという話ですが

色々なチームを襲撃し、イベントを蹂躙し続ければその内、自分達の名前を聞くだけで中途半端な連中は自分達が参加する定例会やイベントには来なくなる。
(当時はサバゲフィールドの予定表や予約表を見ると、参加者の予約名一覧が分かるフィールドが多かった。)
逆を言えば、本当に自分達と趣味趣向が合う人達が自然と集まるようになり、自分達とやり合いたい連中が戦いを挑んでくるようになって相手に困らないようになる。
(イメージ的には頭文字DのプロジェクトD的な感じ)

他の気に入らないプレーヤーを排除し、イベントを潰し続けた先には、"戦闘シュミレーター"としてのサバイバルゲームを愛好する、"真のプレーヤー達"だけが集まる"清浄な世界"が出来る。
真剣にそう思っていました。

何故、そのような発想になったのか

1 自分自身の出自によるもの
僕の地元は治安が良い所得が安定している住人の住む地域と、治安の悪い低所得者層の住む地域がはっきりと分かれていました。
そのような地域では、低所得者層の地域に住む子供達の多くが、反社会的勢力を生み出す温床となっています。(ライトなスラム街的イメージ)
比較的治安の良い地域に生まれ育った僕でも、子供の頃から自分の身は自分で守り、自分達のコミュニティは自分達で守る事が当たり前だったので、コミュニティ対コミュニティの思考過程は自然なものだったのです。

2 サバゲ関連のユーチューバーやインフルエンサー気取りで”僕って凄いでしょ”とアピールするキラキラ系サバゲーマーがもの凄く嫌いだった。
激しい嫌悪感と、自分達がサバゲ界隈を牽引しているかのような振る舞いや言動に怒りを覚えていました。
こいつらの苦虫を噛み潰したような顔が見たい、何も出来ずに殲滅されていく様子が見たい。
そのプライド、戦意、士気をバキバキにへし折りたい。
そのような欲求に取り憑かれていました。

3 連携、タクトレを売りにする民間人が嫌いだった
「自衛官でもない民間人(特に自衛隊経験が無い人)が、正規の訓練も受けず偉そうに語るな」そう、真剣に思っていました。
嘘の経歴を語ってる人は特に嫌いでした。
あと純粋に、どれだけやるのだろうという道場破り的なワクワク感もありました。
どれだけ連携するのか、どれだけ技術があるのか肌で感じてみたかったですし、こちらより数が多いならばより興奮しました。

4 自分の知識や技術を試したかった
3と矛盾していますが、自分の知り得た知識とトレーニングで培った技術を、サバイバルゲームの緊縮された時間と場所で、全力で人にぶつけてみたかったのです。
またルールとレギュレーションさえ守っていれば、何しても良いと考えていました。レギュレーションにない部分を探し出し、それを利用して自分の知識と技術から、敵の予期せぬ方法で攻撃をする事は奇襲の一つであり望ましい事と考えていました。
(それによって得られるものがあった事も原因)

相手の心を折る事(相手の戦意を挫く)に執着した理由

相手の心を折る事に執着した理由は、過去に行われた雑誌主催のサバイバルゲームの大会で、勝利条件を満たす為にルール違反が横行したからです。
有形の勝利条件を満たすという、単純な勝ち負けの執着は、ルール違反の要因となる事から、自分達だけはクリーンにルールを遵守する為、無形の勝利を得る事を目標としました。
突き詰めれば、どこまでも遠いゴールを目指す曖昧な形にする事で、自分達のルール違反を極限する安全装置の側面がありました。
そのように、自分の悪意と良心の落とし所をつけた部分が、"相手の心を折る"事でした。
だから相手の心を折る事に執着しました。

当面の攻撃目標はなんだったか

チームメンバーが離れる、決定的なイベントがあった2015年頃に考えていた当面の攻撃目標は、以下の通りです。
〇 スポーツ系の連中全般(UAB・SpeedQB等)が現れるフィールドのイベント、若しくは定例会(SISTER等)
  スポーツ勢の言う事成す事、全てが嫌いだったので、このような連中が集まる定例会、若しくはイベントに参加し、レギュレーションの抜け穴を探してあらゆる手段でめちゃくちゃに蹂躙して、こいつらの楽しい時間をぶち壊してやろうと考えていました。
特に、スポーツ勢の連中が、初心者向けと称した自分達の取り巻きを養成する為のイベントは、入念に下調べしていました。
実際に器材等の準備及び技術的な準備と訓練を進めていました。

〇 ギアログ・Peace Combat GAME等のイベント
・ 雑誌ピースコンバットの、アパレル雑誌のような感じがとにかく嫌いだったので(俗にいうキラキラ感が大嫌いだった。)イベントを蹂躙しようと考えていました。
・ オラついてる装備系の連中が嫌いだったので、集まる機会を狙って嫌がらせのようにゲームで蹂躙して、イベントをめちゃくちゃにするつもりでした。実際に日程を調べて、準備期間やSNSで参加者になるであろうユーザーを調べる等、基礎的な調査を進めていました。

〇 某サバゲチーム
もうホームページも見つけられないし、何年も前の事ですしご本人達もいらっしゃらないと思うので白状しますが…
この方達のホームページを2012年頃?に発見して以来、ずっと攻撃目標の候補にしていました。
この人達のホームページにあった「近接戦闘専門チームです」等の近接戦闘の使い方を少し間違えていた文言及びHPに掲載しているロゴとメンバー紹介、そして装備の統制、全てにおいて鼻につき、戦意が燃え上がりました。偶然にも、千葉県にあるサバゲフィールドSealsの定例会で一緒になった時、メンバーのいけ好かない態度(カッコつけているのか偉そうで不愛想だった)と、被弾してもルールを守らず平気でゲームを続行する事から、次の標的にしようと決意しました。
彼等の事を動画やHPから徹底的に調べ、フィールドのHPから参加している定例会の動画を探し出し、全てに目を通し、実際に彼らの参加する定例会に一緒に参加をして動画や写真を撮影し、彼等の戦い方、実質誰がリーダーなのか、参加率が高い奴は誰か、活動している規模、メンバーの顔写真一覧や装備の写真を揃えて分析を行い計画を作成、実行まであと一歩でした。
(女の子ばかりのサバゲチームの設定とやり方をまた利用するつもりだった。)

最後に

今は、途中で止まる事が出来て良かったと思っています。
チームとそのコミュニティが自然消滅する事がなければ、今も敵を見つけてレギュレーションの抜け道を探して挑み続けていました。
装備や、写真撮影にイベントを楽しむような、幅広い楽しみ方を見つけていなかったと思います。

当時の事を振り返りましたが、正直全ての行為が間違っていたとは思っていません。
(今現在もサバイバルゲームは似たような内容で繰り返し炎上している事から、かつての自分と似たような感情を抱くユーザーがいると思う)

しかし、確実に間違っている事は、同じチームの仲間やその周りの仲間を巻き込んだ事です。
仲間に同意を得ていなかった事、噓をついていた事、黙っていた事
もし色々なチームやイベントを襲撃するならば、襲撃する事を了承し納得する仲間を募るべきでした。
既に集まっていた仲間を利用していたと言われても仕方ありません。

その1と合わせても、ここにアップした内容はやった事はほんの一部ですしブログに書くには相応しくない事もしました。
自分がやった事で、ルールに影響を与えたフィールドもあります。

今の僕の行動は、かつてのメンバーから言われた事に大きな影響を受けています。
それは「卑怯な手で相手を誘い出したり、イベントで暴れ回っても、仲良くなったり出来ないし次に繋がらない」という仲間の言葉です。

少し時間は掛かりましたが、今の僕は、サバイバルゲームを自分のヘイトをぶつける手段にするのではなく、趣味を通じて他人を理解し、尊重し、創作し、自分の人生を豊かにする手段にしています。
そんな大切な事を教えてくれた仲間達や友人達に謝罪しようにも、もう伝わる事はありません。
一度離れた心は二度と戻らないのです。
後悔しています。

仮に、かつての自分と似たような事を考えている人がいるのであれば、仲間に説明し、理解と了承の上でやった方がいいです。
そして相手は"敵"ではない、同じ趣味の他人である事を理解して戦いを挑むのが良いと思います。
その"同じ趣味の他人"を敵にして戦いを挑めば、恐らく二度と相容れる事はありません。
敵となった”同じ趣味の他人”と友人や仲間になる可能性を自ら潰す事になります。
その事を天秤にかけて許容出来るならば、やっても良いと思います。

しかし、仮にこれを読むアナタに戦いの根元となる黒い感情があったとして
戦わなければ分からない事が沢山あります。
自分の嫌いなジャンル及び個人、イベントを襲撃し蹂躙して、主催者やその仲間等の苦虫を噛み潰したような顔を見ながら、休日の1日を掛けて奴等の心をへし折る快感は、黒くて、熱く、頭に炭酸水が湧き上がるような形容し難い感覚でした。

僕はその快感に疲れました
もしアナタに気に入らないジャンルやチーム・個人がいたとして、襲撃して蹂躙したいと思っても、色々なものを引き換えにするコストは見合わないと思いますしお勧めしません。(単純に労力も含めて)
ただ、もう一度繰り返しますが
休日の1日を掛けて奴等の心をへし折る快感は、黒くて、熱く、頭に炭酸水が湧き上がるような形容し難い感覚ですよ(小声)

修正:修正前の文に記載されたサバゲチームが活動中であるとコメントから連絡があり、修正しました。
ご迷惑をお掛けしました、申し訳ありません。



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