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kotatsu
2018年8月4日 16:37
広場の中央に設えられた祭壇近くの椅子で、しばし瞑想していた男は、ゆっくりと目を開くと「いったい何の事やねん」と誰に聞かせるでもなく呟いた。 男は混乱しているのか、取り巻く人々とあらゆる動物の群れが発するざわめきや、気遣う近親者のかける声さえも届かない。 男は、椅子から身体を引き上げると、膝の具合を確かめながら、夕闇の迫る広場を歩き始めた。今しがた見せられた箴言とビジョンを反芻する。 神さ