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「人の幸せを考える」

私は皮膚の難病に12年間悩まされていました。

身体は弱り、満足に歩けもせず、いつも家族に頼るばかりの日々で、人生には絶望していたと思います。

そんなとき、たまたま地元に住む仏教僧と会う機会があったのです。

彼に自分の悲惨な状況を話した私は、同情のまなざしと思いやりの言葉を期待したのですが、僧侶は穏やかにこう言っただけでした。

「自分を憐れむのはおやめなさい。人の幸せを考えるようにするのです」

「無理です!こんな状態なのですよ。自分のことで精一杯です」

私は「彼は何もわかっていない!」と、がっかりしました。

こんなボロボロの身体で人の幸せを願うなんて無理だと思いましたが、なぜかその言葉が心に引っかかり、その日から少しずつ気をつけるようになりました。

まずは家族や友人たちの幸せと健康を、さらに知らない人たちのために、車の中から道行く人たちの幸せを、ついでに自分の嫌いな人たちのことも思いやってみました。

ある日、電動車椅子に乗ってスーパーのレジに並んでいると、明らかに虫の居所の悪そうな女性が私の後ろに並びました。

急いでいるらしく、いら立った目を周囲に向けています。

カートの中身はあふれんばかりで、少しでも早くレジを通り抜けたそうにしています。

いつもなら、イヤな思いをしないように、こういう人とはできるだけ関わらないようにしていましたし、実際真っ先に頭に浮かんだのは、「何て品のない人からしら。目を合わせないようにしよう」という考えでした。

しかし、そのとき例の僧の言葉…「人の幸せを考えるようにするのです」を思い出した私はこう思い直したのです。

「そう、きっとこの人は今日とてもイヤなことがあったのよ。

私だってそういう日もあるじゃない。

この人を幸せにしてあげるにはどうすればいい?」

私は振り向いて「お急ぎのようですね」と言いました。

女性は驚いたような顔で、ぶっきらぼうに「ええ急いでいるんです。遅れそうだから」と答えました。

「私の前へどうぞ」

女性は私のかごの中身が少ないのを見て、サッと首を振りました。

「いえ、大丈夫です」

「どうぞ遠慮なさらないで。私は急いでいませんから。さあ、どうぞ」

変化は劇的でした。

イライラをまき散らし、レジ係をどなりつけそうな勢いだったその女性は、人に親切にされ、気を遣われて、別人のようになったのです。

私の前へとカートを進めながら何度も「ありがとう」と言い、レジがすむと店員にも礼を言って、買った物を袋に詰め終わると、笑顔で店を出ていきました。

私はすがすがしい気持になりました。

周りを見ると、誰もが私に笑顔を向けて、言葉を交わし合っているのです…「素敵ね」「気持のいい場面だったわね」「今日もいい日になりそうね」。

それからはもっと人を幸せにしたくて、できることはないかと探すようになりました。

人のためになろうとすれば、機会はいたるところに転がっているものです。

身体を使い、心を使い、お金を使って、まだまだ私は人のために何かをしてあげられる、それはこの上もなくうれしいことでした。

自分のために「人が何をしてくれるか」ではなく、人の幸せのために「自分が何をしてあげられるか」を、いつも考えるようになりました。

うれしいことに、それから一年もしないうちに、皮膚の調子がよくなり、生きるパワーもみなぎってきました。

杖なしで歩けるようになり、ジムにも通い始めました。

医者は、病気がひとりで快方に向ったようだと言って、信じられないようです。

僧侶の教えのおかげで人生の坂を転がり落ちずにすんだ私は、愛情という永遠の力を手に入れることができました。

おはようこんにちはこんばんは\(^▽^)/!
こたつねこです。

「人の幸せを考える」たぶん今の自分には欠けている物なのかなとこのお話を読んでいて思いました。
このお話はいつもの通りFacebook『いい言葉は人生を変える』から転記した物です。
「人の幸せを考える」これが無いから、自分の気持ちばかりを優先して病を患ってから約7年もの間「治療したって結果は同じ…」とだけ決め込んでロクに治療もしないでただただ逃げてきただけだったと。結果的には自分と向き合うのが恐かったんだと思っています。ダメだダメだとばかりで最初に主治医に言われた事だけを鵜呑みにして何の努力さえもしなかった。
「人の幸せを考える」これ本当に大事だとつい最近気づきました。病を患ってから愚痴ばかりで周囲の人はさぞかしイヤな思いで聞いていたんじゃ無いかと。本当に申し訳無い思いでいっぱいです。
幸いこのお話の主人公は気づいて立ち向かう勇気を得てるけど、自分はまだまだだなと。
この主人公は最初は毒づいていた僧侶のお話から「人の幸せを考える」様になってやがては「愛情」という永遠の力を手に入れたけれど、今の自分に同じ事が出来るだろうか手遅れなんじゃ無いかなとふと我が身を振り返ってしまいました。後先考えてはいけないのだろうけど本当にそろそろ決めなきゃなとと思っています。たとえ結果がどうであっても。

ではまた╰(*´︶`*)♡

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