「他人に迷惑をかけるな」の教育をやめよう~だから日本人は他人に優しくなれない?


日本にいる日本人が公共の場で積極的に他人を助けない、あんまり寄付しない、という話をよく聞く。色んな国で同じ年頃のお子さんを持つ親御さんと交流していて明確な差を感じるは「他人に迷惑をかける」という点についての教えの差だ。


日本では私もそうだが、「他人に迷惑をかけるな」と厳しく教えられた。これはこれでいいこともある。しかし、今後も予期せぬ変化が加速するような時代には望ましくないと思う。なぜなら「絶対他人に迷惑をかけてしまう」瞬間があるからだ。「他人に迷惑をかけるかどうか」完全にコントロールなんてますますできなくなる。


アジアでもアメリカでも「他人に迷惑をかける」ことについてたいていの場合どう教えられているかといえば


「あなたも他人に迷惑をかけてしまうことが必ずある。だから他人があなたに迷惑をかけてもそれは当たり前。そういう時は積極的に助けてあげなさい」


である。


コントロールできない変化、環境に囲まれているのに、「絶対他人に迷惑をかけるな」と言われ続けたら、それは常に委縮して何もするな!と言われ続けているに等しい。だから「期せずして迷惑をかけてしまう人」をも憎んでしまう。「こいつ規律を乱している許せない。助けなくていい」と。


でも人間なんだから迷惑を期せずしてかけてしまうのは当たり前だ。特にこれからはさらに我々を取り巻く環境はコントロールできなくなる一方だ。迷惑をかけることはお互い様だ。その時に優しく助け合える方がいい。


寄付も同じ。情けは他人のためならず。いつ自分もすべてを失って路頭に迷うことだってある。極端に聞こえるかもしれないが、自分のせいではなく、コントロールできない形で、災害や紛争や事故に巻き込まれることも長くなる人生あるよ。他人事ではないよ。だから世界中が日本人より寄付をする。決して富裕層の税制や宗教だけの理由じゃないよ。


娘も学校でそう教えられているので、友達や見知らぬ人が重いものを運んで苦しそうにしていたら飛んで走って、あまりまだ力もないのに手伝ったりしている。我が子ながら感動する。他人様に多大な迷惑かけることは多々ありますが笑


あと、「他人に迷惑をかけるな」をやめてほしい別の理由として「自分の人生を生きて」欲しい。なぜ小さい時からまず「他人様の目を気にしないといけないのか?」。まず自分でしょう。自分が自分の人生を生きて幸せでないと他人をサポートする気にならないでしょう。まず委縮して同調を強要される形で他人様の目を気にしていたら、ハッピーになれない。自分のための人生を生きられないと長い人生どこかでおかしくなってしまう。


「他人に迷惑をかけてしまうこともあるから困っている他人を助けよう」
「自分の人生を生きよう」


だから「他人に迷惑をかけるな」をやめよう。

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