「ワンマンは試練」は勘違いだった
もう2週間も前のことになってしまったけれど、leift(レフト)として臨んだ初めてのワンマンライブが無事に「完了」した。
noteでずっと、leiftとして活動し始めた頃から自分の心情を書いてきている。だからこそ、leiftにとっての第1章目の幕引きとも言えるワンマンのことは、自分の言葉で書いて、当日の写真も添えて締めておこう。
ライブは何物にも替えられない尊さがある
まず、このワンマンを通じて強くそう思った。
何が尊いかというと、
ステージを作るのは自分だけじゃない
今回、leiftにとって高い壁となったチャレンジに、沢山の仲間が力を貸してくれた。ギターを弾いてくれた、過去にアルバムも一緒に作った内山肇さん。そのアルバム前後からずっと、KOTARO SAITOのリズム隊を担ってくれているドラマーの宮内告典くん。
後述するけど、今回は映像と楽曲を完全同期して演奏に臨んだ。単に曲を覚えてもらうことだけでなく、演出上この曲のここでこうした後にこうなる、みたいなことが細かく沢山あった。2人ともとっても多忙な中、それらの構成をリハの段階でしっかり覚えた状態で来てくれて、リハもみっちりやって臨むことができた。2人に支えてもらって、このライブは成立した。
先ほども触れた、音楽と映像の完全同期を実現してくれたのは、leiftやKOTARO SAITOのMVをずっと作ってくれている山本康太くん。彼なくして、今回の演出を実現するのは不可能だった。
彼はKOHTA名義で、これからアーティスト活動を本格化していく予定。
9月9日(土)に彼自身も、WALL&WALLでライブを開催する。長年一緒に作品を作ってきた仲間として、自分が持っている音楽的経験は惜しみなく提供してサポートするつもりだ。当日の運営を手伝ってくれた、彼の仲間たちにも心から感謝。彼らがいたから、運営面でも大きなトラブルなく進行できた。
会場であるWALL&WALL、並びに当日の音響・照明を作ってくれた皆さん。今回演出案を練って臨むにあたり、WALL&WALLの馬飼野さんには事前に何度も会場に足を運ばせてもらい、トータル約半年間付き合っていただいた。録音したライブ音源や山本くんが撮ってくれた映像を見返すと、皆さんが資料をしっかり読み込んで臨んでくださったのがよく分かる。
本当にお世話になりました。
食に一切の妥協をしない俺が、当日のケータリングを相談したMy Bahn Miの音仲紗良ちゃん。これ、全部グルテンフリーで、本当に美味しい。
ライブの相談にも乗ってくれて、当日こんなにも最高のレモンケーキを焼いてきてくれた、友人でありleiftやKOTARO SAITOのスーパーリスナーでもある、ののちゃん。俺は趣味が高じて料理イベントを開催することもしばしばあるのだけど、その締めは彼女のケーキがよく合う。leiftのファンの皆さんの間でも、ののちゃんのケーキは大好評。
作曲家として参加したアニメ『ユーレイデコ』にて、イメージソングをleift名義で歌わせていただいた『leaves』。ライブではバンダイナムコフィルムワークスの方に快諾いただき、MVを演出で使わせていただきました。ありがとうございました。
極めて大きなお花をくれた前田千鶴さん。いつも全幅の信頼を持って、leiftのデジタル配信を託せるThe Orchard Japanの皆さん。残念ながら会場にお越しいただけなかった永原さん。お花をくれた沢山の皆さん。本当にありがとうございました。ライブ後も、1週間以上に渡り我が家を彩ってくれました。
演出に至るまでの試行錯誤を一緒に考えてくれた仲間たち。このライブに仕上がるまで、ものすごく気持ちがアップダウン(主にダウン)して周りの仲間には心配をたくさんかけたように思う。的確なアドバイス、俺の良いところを捉えた意見をくれた皆、本当にありがとう。
来てくれた皆さん
当日まで、leiftのワンマンはどんなライブになるか全く分からなかった。客席がどんなバイブスを放つのか、どんなリアクションをくれるのか。ワンマンが初めてだったのもあり、どんな空気が流れていくのか読めないまま、自分ができる最大限の「おもてなし」とは何かを考えて演出していた。
みんな、とても温かく盛り上げてくれた。マシントラブルで映像と音源が止まるという惨事が二度もあったのだけど、逆にそのトラブルで客席も俺も緊張が解け、温度と距離がグッと近づいたことをよく覚えている。
一度目が序盤に起こって、二度目は唯一MCをしっかりやろうとしていた時。「これから良いこと言うぞ・・・」の空気で「ブツっ」って止まった時は、もはやステージも客席も爆笑だった。思わず「ぅおおおおおおいい!!」って叫んだ。
トラブルさえも、
味方に変えてくれたのは客席のみんなのバイブスあって。
ありがとうございました。
ライブは作り手や演者が作るものじゃなく、
ステージと客席が一体になって初めて完成する。
用意してきたことを完璧にこなすこと以上に、客席を信じて
一緒に表現を完成させることこそ、ライブの醍醐味。
そう教えてくれたのは、あの日客席から見守ってくれていた一人一人、すべての皆さんです。演奏していて、本当に楽しかったです。まだまだ余韻に浸れるほど。ありがとうございました。
ライブで初めて見えた、自分の音楽の魅力
元々CMの音楽をプロデュース・作曲してきたのもあってか、映像と一緒に音楽を楽しんでもらうスタイルがよくハマったように感じた。
今後のSNSを通じた配信演奏でも、映像演出を掛け算してみたい。
それもあって、ワンマンが終わってすぐに映像編集、配信と録音の同時進行に耐えうる、無敵仕様のMacBook Proを購入した。noteを書くには、動きが俊敏すぎるほどだ。
映像と音響を妥協なく追い込めたのは、会場をWALL&WALLにしたことが大きかった。何せ、抜群の音響環境。あの音ありきで映像は生まれたし、バンドセットで臨んだことも会場の魅力があって引き立ったように感じた。
そして、自分が1人で作ってきたleiftの音楽が、ギターとドラムで三つ巴スタイルにしたことで、より華々しくエモいものに昇華された。
今後も、ワンマンを中心にバンドセットでの演奏を続けていきたい。一方で、ソロで立つステージの質も、今後ライブを重ねてもっと高めていきたい。ライブでの出会いの高揚感、尊さを知ったからには、もっともっと聞いてくれる方も自分も一緒に楽しめる場を作ってみたいと思ってしまう。
21曲で60分のセトリ
オフィシャルプレイリストとして、当日のセトリを公開している。
インストの楽曲をInterludeのように使い、歌で伝える曲とインストで感覚的に楽しんでもらう曲を相互に楽しんでもらえるよう意識した。
特に、衣装チェンジをして臨んだLotus→Memento(Special Intro.)→Memento→Muteの連結したセットの部分は演出と演奏にこだわった。自分たちがこだわった部分で、確実に客席のテンションが爆上がってくれたことも、今後への自信になった。ありがとう。
MCやBGMとして使った曲も含めると、延べ21曲。
leiftの曲は基本2分半くらいのものが多く、基本ノンストップで進行したから、これだけの曲数をやっても60分強にしかならない。ライブ尺が短いを感じた方もいたみたいだけど、自分的にはオールスタンディングのライブで集中力が程よく持続するギリギリは60分だと思っている。ワンマンは今後も、この位の尺間で演出していくつもりだ。
ステージ尺という意味でも、今後の指針が明確になったライブだった。
今後の指針
プロデューサー視点で見た時に「荒削りだな」と思う部分も含め、ライブは一回一回のステージで進化する。特に今のフェーズだと、パフォーマンスの成長はステージを追うごとに止まらない(止まらせない)。ちょっと見ないうちにどんどんステージの質が上がっていくタイミングでもある。そういう意味で、客観的に自分を見ていると「今ちょうど面白い」時期だ。
とはいえ、ワンマンで全力を出し切った今、あのスケールのステージを映像、照明ともにアプデして作るためには「新曲が足りなさすぎる」。だから今は、ワンマンでやるようなステージとは違う形のライブ演出のあり方を模索する時期にしようと思う。
今、自分には3つ表現の場がある。
①マリオット系列のホテル「アロフト東京銀座」
銀座にあるスタイリッシュなホテル、アロフトの週末のライブイベント「Live At Aloft」のプロデュースを、7月から12月まで担当することになった。この話は自分にとって想いがあるから、改めて別のnoteで書こうと思う。当然leiftも出演する。7月8日(土)21:30〜ライブをするので、ワンマンに来れなかった方、来れた方も是非遊びにきてほしい。
8月以降も、12月まではマンスリーでライブを行う予定だ。プロデューサーも兼ねている(むしろプロデュース業が主)ので、毎週末にアロフトで演奏したいアーティストの方も募集している。だからこそ、アロフトのプロジェクトは別のnoteでしっかり想いを書きたい。
②TikTok LIVEやポスト
ちょうどThreadsがリリースされてSNSが盛り上がっている中ではあるけど、今後音楽表現のあり方を模索するのは、leiftの場合はTikTok。
手軽にアップできるのがTikTokの魅力。変にブランディングを考える必要はないと思っていて、思いついた時に思いついた動画を上げられるカジュアルさが、血みどろのファーストアルバム、ファーストワンマンライブをやり切った自分にはちょうど良い。
③NFTマーケットプレイス「.mura」
6月10日に、ファーストアルバム『Beige』のNFT ver.をリリースした。
今はまだ、NFTという存在自体にピンとこない方も多いかもしれない。でも今後、この概念がエンタメのみならず人がモノや人を見る価値観を従来と大きく変えてくれる未来を強く予感している。上のnoteに、想いや考えをまとめたので、興味のある方は読んでみてほしい。
というように、今自分の中にある場だけでも
という3軸が存在する。そんな場があることを幸せに思いながら、ストリーミングで音楽を聴いてもらうことも掛け算してアーティスト活動を行い、全方位leiftのリスナーの皆に楽しんでもらえるようにしたい。
「楽しい」が絶対正義
ライブをやって一番思ったのは、これ。演者本人の葛藤や苦しみだって、結局は観る人が心を燃やしたり癒されたり、元気になるための栄養にしてくれるから見せ物として成立する。そういう意味でネガティブな感情がプラスの気に変えられるかもしれない音楽やアート、芸事は尊い。
今後は、何をやるにも自分自身が楽しいと思えることをしたい。leiftは歌という、作曲家をやってきた自分にとって長く苦痛が伴う修練を要するプロジェクトだった。ライブだって、何度も苦しく悔しい想いの末に、ようやくワンマンのステージに立てた。でもそんな苦しみさえも、ワンマンの最後に演者の3人でお辞儀した時、なんかもうどうでも良くなった。
結局、楽しいんだ。最後は楽しいと思えるまで、
俺はやり切れるんだ。
そう思えたことが自信であり、次回作を作る大きなモチベーションになってる。久しぶりに解放された気持ちになった今、歌に向き合うことも、曲を作り続けることも、本当の意味で純粋に楽しめてる。
ワンマンの柱として披露した楽曲『Breath』でこんな歌詞を書いた。
今まさに、こんな気持ちだ。そしてこの「やり抜く」はここからが本当のスタートで、ちょうど今毎日のように生まれている新曲たちも含め、溜め込んだ力を一気に解放して音楽に向き合えてる。今、ここ数年で一番精神のコンディションも良い。きっとそれは、困難だと思っていた(実はそうでもなかったのかもしれない)壁を、一個一個丁寧に乗り越えてきたからだ。
noteの読者の皆さんには、長らく沈んだ気持ちで書いた文章を読んでいただいた。楽しんでもらえていたなら幸いだ。もう、そういう投稿は基本的になくなるだろう。楽しいことが絶対正義。そんな今の気分を詰め込んで、セカンドアルバムに向かって曲作りを進めたい。
最後に
ワンマンにきてくれた皆さんと。俺の二重顎具合だけが悔やまれる。まぁいいや。皆楽しそうな顔してくれてるから!本当にありがとう!!!