『銀狐は死なず』『女王の番犬』の作家たち

二人の先輩と酒を飲む。

業界の片隅でひっそりと暮らしている森山が

「鷹樹先生と飲みたい!」

そう駄々をこねた私の要望に、タフネゴシエーターこと青木杏樹先輩が

青森の出張帰りの素敵オジサマを引っ張り出して飲む機会を与えてくださいました。

先輩方、誠にありがとうございました!!

飲み始めて一杯目で性癖の話になり、

以降、変態というフレーズを度々いただき、若輩森山は感無量でした。
(意訳:めちゃめちゃ楽しかったです)

本にサインもいただき、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

さて、二人のお人柄について語りたいところですが、本日はお二人の最新作について。

『銀狐は死なず』鷹樹烏介著

消炎と血煙たちこめるクライムサスペンス!

帯のあおりに偽りなしというのはこのことでしょう。

プロローグを読んで、錆びた鉄骨の匂いをかぎ取った私は、遥々千葉習志野の立体駐車場まで車を走らせ、深夜1時の屋上、車内灯をつけてハードカバーを左手に持ちました。

そこからもう止まらない止まらない。

百ページ読んで煙草を吸おうと窓を開けた僕は、本から漂う張り詰めた空気感に、左腕がしびれていることに気づきました。

時間にして40分ほど。水を飲むのも忘れて読んでいました。

さらっとした文章にもかかわらず、登場人物の人生の奥行きが深く、そして挟まれるエピソードによって、感情のふり幅の絶対値が操られている気がしました。

Leonを彷彿とさせる殺し屋と少女、そこに時代の流れへの客観視と諦観を組み込み、まったく別の哲学が横たわっているようにも感じました。

小鳥屋、勝矢コンビの話はもっと見てみたいなと思ったり、思ったり。

何が言いたいかというと、エンタメとして最高でした。

『女王の番犬』青木杏樹著

著者待望の戦記ファンタジー!

二年前から書きたい書きたいとおっしゃっていた悲願が叶い、〝後輩〟森山は感無量です。

青木先生の書く戦記物がどんなものかとワクワクして読み始めました。

あれ?

おかしいぞ。猟奇的な登場人物がいない……!?

とういうのは冗談にして、

もの凄い格調高い物語が、ものすごく読みやすく書かれている。

いや、文章が上手いのは知っていたけれど、心理描写が得意な人が戦記物を書くとこうなるのねと。

どこを書いてもネタバレになりそうだけれども、登場人物の誰に感情移入したとしても、しっかりとその人物がさらに好きになる結末になることは間違いなしです。

僕はイーサンが好きです。

東のエデンの近藤刑事推しの森山にしてみれば、どんぴしゃにはまる人物でした。今後、イーサンとその友達がどんな人生を送っていくのか、ぜひ読みたいですね。いやあ、イーサン、今後活躍してほしいなあ。

続編があるならば、イーサン活躍しますよね?

もし活躍しなかったら、勝手に活躍させますからね?笑


何はともあれ、読書の楽しい時間をいただき、さらにはそれを作った方の含蓄ある話が聞けて最高の週末でした。

鷹樹先生、サインとお土産ありがとうございました。じゃりパンも、カスタードケーキもおいしかったです!

青木先生、ブラッドフォードのあたりください。

森山光太郎

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