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メモ:2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討令和2年12月21日資源エネルギー庁

2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討令和2年12月21日資源エネルギー庁https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/035/035_004.pdf
資料と動画見ましたー。

二酸化炭素回収・貯留活用技術については一旦置いておいて・・・。
原発を何とかして稼働したいんだな、という印象です。

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経産省が12月に発表したグリーンニューディール戦略の中では原発について、
・原子力については可能な限り依存度は低減しつつも引き続き最大限活用していく
・安全最優先での再稼働を進めるとともに、安全性に優れた次世代炉の開発を行っていくことが必要である。
と記載されています。

動画冒頭で資源エネ次長の発言は以下でした。
・原子力は国民の信頼回復が鍵、再生可能エネルギーだけには頼れない。
・エネルギーを大量に消費する国は原子力を使っている。様々な国が原子力
を使っている。

会議の中で原発に否定的な意見を述べたのは3人くらいでしょうか。
後の10数名は邁進姿勢に感じました。

参考)
2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略令和2年12月資料①
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201225012/20201225012-1.pdf

2050 年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略 資料②
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/seichosenryakukaigi/dai6/siryou2.pdf

”原子力については、確立した脱炭素技術である。可能な限り依存度を低減しつつも、安全性向上を図り、引き続き最大限活用していく。安全最優先での再稼働を進めるとともに、安全性に優れた次世代炉の開発を行っていくことが必要である。”

追記

安田先生の反論文章で疑問が少し明確になりましたのでご紹介します。

No.223 2050年再エネ50~60%案のカラクリと問題点 2020年12月24日
京都大学大学院経済学研究科特任教授 安田 陽

・「水素発電(2020年電時点試算)」が「専焼97.3円/kWh」と記載されている通り(p.64)、過去10〜20年前の再エネよりも遥かに高コストなものをあと30年かかってなんとか12円/kWhまで低減させるという、不確実性が高い仮定がここで用いられています。
・一方、水素火力はまだ経済的実現可能性を検証するのはこれからの段階であり、水素のコストの方が圧倒的に不確実性が高いと言えます。
・また、同じ水素でも再エネ由来の水素(グリーン水素)と化石燃料由来でCCUS(二酸化炭素再利用・貯留)を用いる水素(ブルー水素)でも将来コスト予測が異なることが世界中で議論されています。
・一方、ブルームバーグNEFの試算では、2050年になるとブルー水素よりもグリーン水素の方が低コストになると予想されており、このような状況では再エネ由来の水素という選択肢を捨ててわざわざ化石燃料由来(+CCUS)の水素を用いる戦略にほとんど妥当性はないと言うことにもなります。仮に、図1の試算において水素火力の水素が再エネ由来であった場合は、再エネ比率は80〜100%と言い換えることもできるでしょう
・あたかも「調整力の確保」が火力発電でしかできないかのような前提となっています(そもそも「調整力」という用語を用いる時点で国際議論から乖離しています)
以上、2020年12月22日の基本政策分科会で発表された「2050年に再エネ約5〜6割」という政府提案がどこからどのように試算されたのかについて概観しました。箇条書きにまとめると、
 ①「2050年に再エネ約5〜6割」という数値は水素火力を前提とした解析に基づいている
 ②水素火力の将来コストは不確実性が高いにも関わらず、12円/kWhと固定され計算されている
 ③国際的に議論が盛んな「柔軟性」という概念が用いられず、過度な火力依存が前提となっている

チョコレートでみんなを笑顔にできるように頑張ります!